・Sr.岡のマリアの風 (67)初めての本…初めから最後まで「感謝!」の本

   感謝の気持ちを表したい、と書き始めました。 宣伝しているように見えたら、ごめんなさい!

   K誌に連載していたエッセイをまとめてくださったものが本になります。K誌の私の記事の担当者のKさん、出版社のIさん、私の小さな記事を喜んで読んでくださっている姉妹たち、友人たち…これは「私の」本というより、多くの方々の「協働作業」の実りです。初めから最後まで「感謝!」の本。

なぜK誌の連載が始まったのか、それがなぜ今、本になったのか(しかも一般の出版社から)、そもそも、なぜ私が、神学の中でもひじょうにマイナーな「マリア論(Mariology)」を勉強することになったのか、「マリアの風」に乗って、キリストに従う日々の生活を生きるとは、どういうことか…いろいろな思いがこもった小さな本です。

 本が出版されることになった時、「売れなかったらどうしよう」と親心で心配してくれた修道会会長が、真っ先に日本人の姉妹たち全員に本を注文してくださいました(今でも「売れ残った分も引き取らなければだめかしら?」と、出版される前から心配しています)。

 先日、『マリア論オンライン講座』のスタッフが、目ざとく「シスターの本、通販で予約が始まっています!」と知らせてくれました。妹もお母さんも、キリスト信徒ではない従兄弟も読みたい、と注文してくれました。クラスメートのライン・グループの「本棚」でも紹介されたとか(どういうものか知りませんが…)。

 私のエッセイ連載を拾ってくださった出版社の担当のIさん。百回以上続いている記事の中から幾つかを選んで、内容でくくって二部構成。何しろ、まとめて本になることなど考えずに書いているので、言葉や聖書引用を統一するだけでも大変です。

 ここは「心」でいいけれど そこはやっぱり「こころ」がいい、などという、ほとんど感覚的なこだわりがあります。 聖書引用も、この箇所は、この聖書の訳がいい…など Iさんは、それにいちいち付き合い、私が表現したいことを汲み、大切に大切に本にしてくださいました。

 そして、早く読みたい、と待っていてくださる友人たち。やはりこれは 協働作業 です。

 最後に、感謝しきれないほどの感謝を、M師に届けたい。マリアさまが大好きなM師に、推薦の「帯書き」を書いていただけないでしょうか、お忙しかったら無理にとは言いませんが…とびくびく連絡したら、すぐに返事をくださり、「喜んで。原稿を送ってください」、と また、「帯書き」のお礼にメールをすると、返事をくださり、何と原稿を全部読んでくださったと知り、心の芯が熱くなるとはこういうことか、という経験をしました。小さな者に目を留めてくださるまなざしに感謝しかありません。

 K誌の連載記事は、印刷された時点で私の手を離れ、聖霊が自由に読む方の心にささやいてくださる、と私はイメージしています。まさに「マリアの風に乗って…」という感じ。壮大な意味で、聖霊との協働作業です。聖霊に導かれて書いて、聖霊が読む人の心を動かしてくださる、という意味で。

 すべてに感謝しつつ、また、マリアさまが、読む人の心に母の温かさを伝え、周りの人を兄弟姉妹として大切にする心を育ててくださることを願いながら。

(岡立子=おか・りつこ=けがれなき聖母の騎士聖フランシスコ修道女会修道女、教皇庁立国際マリアン・アカデミー会員/新刊書「マリアの風に乗って」は教育評論社刊、1650円です)

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2021年9月2日