・菊地大司教の日記「カトリック東京ボランティアセンターの活動に感謝!

2021年3月31日 (水)

Ctvchp

 3月31日、年度末です。東京の桜は散り始めており、復活祭まで持つかどうか微妙となりました。

 さて、3月31日をもって、10年間活動を続けてきた東京教区のCTVC(カトリック東京ボランティアセンター)が、その活動に幕を下ろしました。東日本大震災発生直後、首都圏からの支援活動を円滑に行うために発足したセンターは、日本の司教団が、震災から10年となるこの3月でいわゆる「オールジャパン」の支援体制を解除することに伴い、終了することになりました。

 わたしの手元には、10年前の4月22日付けで、当時の東京教区補佐司教であった幸田司教様から送付されてきた、CTVC設立趣意書のメールが残っています。そこには次のように記されています。

「東京教区内では、これまで真生会館学生センターとJLMM-日本カトリック信徒宣教者会などが窓口になり、仙台教区サポートセンターを通して被災地にボランティアを派遣してきました。このような活動をひとつにまとめ、教区として、また、ひとつの教会として力を結集させ被災地を支援していくため、2011年4月24日の復活祭の主日に、「カトリック東京ボランティアセンター(CTVC)」を設立いたします」

 それから10年。六本木のフランシスコ会聖ヨゼフ修道院に一室をお借りして続けられてきた活動は、幸田司教様が責任者を務め、その後は福島のカリタス南相馬設立につながりました。

 CTVCが終了しても、東北への支援が終わるわけではありません。教皇様が東京での被災者の集いで指摘されたように、「息の長い」かかわりが必要です。幸田司教様は、この数年は南相馬の住人となり、現地からの支援活動をカリタス南相馬のスタッフと共に続けておられます。東京教区としては今後、それぞれの場から、すでにある現地との繋がりや、カリタス南相馬を通じた繋がりを持って、東北との関わりを持ち続けたいと思います。

 これまでの10年間、CTVCの活動に関わってくださった皆さん、特に事務局を担当してくださった皆さん、またその活動に加わったり支援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。10年の活動は教区に多くの宝を生み出したと思います。その宝をさらに育てていくことが出来るように、努めたいと思います。

 同様に、わたしが担当司教でもあった司教協議会の東日本大震災復興支援室も、その活動を終えます。もっぱら活動の調整作業でしたが、なかでも関係者間の情報共有のための大阪教区の支援で立ち上げたメーリングリストは、今日までに8700通ほどのメールで情報が共有されました。毎日、各地のベースからは活動報告が送付され、それは今日まで続いてきました。そのメーリングリストも、今日で閉鎖され、仙台教区が新しく立ち上げたネットワークに引き継がれていきます。

この10年、関わってくださった皆さんに、感謝します。

(菊地功=きくち・いさお=東京大司教)

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2021年4月1日