バチカンの重要な役所の一つである福音宣教省の長官が、交代することになりました。
12月8日日曜日のローマ時間正午、教皇様は、マニラの大司教であるアントニオ・タグレ枢機卿を福音宣教省の長官に任命されました。タグレ枢機卿様、おめでとうございます。
福音宣教省は、日本を含む宣教地域を管轄する役所で、伝統的にPropaganda Fideなどと呼ばれています。教会の福音宣教全般について、様々な調整や情報収集、研究を行う部署ですし、教皇庁宣教事業(Pontifical Mission Society)も配下に擁しており、世界宣教の日の献金を元に、宣教地の様々な活動を援助している機関でもあります。
アジアの各教会は、キリスト教国とされているフィリピンを除いて、すべてが福音宣教省の管轄下にあります。したがって、日本を含む宣教国の司教の任命は、バチカンの司教省ではなくて、福音宣教省の枢機卿会議が事前の調査や調整を行い、福音宣教省長官が最終的に教皇様へ具申することになっています。
バチカンの諸官庁は、バチカンにある事務局とメンバーと呼ばれるいわゆる委員で構成されており、そのメンバーの大半は枢機卿となっています。現在は40名ほどのメンバーが任命されています。その中に常に5名ほどの司教がメンバーとして含まれており、わたしも2014年から福音宣教省のメンバーになっておりますが、もう5年経つので、まもなくどなたか他のアジアの司教に代わることだと思います。
タグレ枢機卿様、おめでとうございます。
なおアジアから長官が選ばれるのは、ボンベイのディアス枢機卿が長官に任命されて以来、2度目です。
(菊地功=きくち・いさお=東京大司教)