・愛ある船旅への幻想曲⑤   コロナ禍で人間関係がシンプルになった

 コロナ禍の中、日々の暮らし方にも大きな変化があり、その生活にも知らず知らずのうちに慣れている自分がいる。プライベートでは、会いたい人だけに会う。話したい人だけに電話をする。考えてみるとなんだか人との付き合いがシンプルになった。同じ船に乗っている人との交流だけに時間を費やしている。こうした時間も神様からの贈り物だ。

 神様は、真の人間の交わりが大切なことを教えてくれる。容易ならぬ問題を抱えている今こそ、支え合う相手が必要だろう。

  「人が独りでいるのは良くない」(創世記2章18節)

 支え合う人間関係には、必ず“愛”が存在し、強い信頼関係が生まれる。そこに行き着くまでには、相手のことをよく知らねばならない。たわいない話を楽しむことで相手の考えを知り、知らず知らずのうちにお互いのことを気にかけるようになる。相手が困っているときには丁寧に話を聞き、アドバイスをしたい。

 ただ、相手の立場にならないと理解し辛いこともある。頭だけで考える答えは、どうもしっくりいかない。自分の経験談には、より説得力がある。いずれにせよ、はっきりと相手に言わねばならない時がある。それゆえにお互いの意識のずれから喧嘩へと発展することもあるだろう。喧嘩をしながらでも、それが我がままでも、言える相手には思いを正直に言えばいい。そこに“愛”があれば、元の関係に戻るのに時間はかからないだろう。そして、二人の絆はますます深まるのではないだろうか。

 クリスチャンにとって、“愛”は一番大切な行為と教えられている。“愛の神”は“熱情の神”でもある。人間にとって、なんと分かりやすい表現だろう。愛を知らなければ、愛は与えられない。人間としてシンプルな愛を与え、与えられたい今日この頃である。

 (西の憂うるパヴァーヌ)

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2021年7月3日