・三輪先生の時々の思いⅡ ①七日正月…日本伝統の風習は消え去るのみか

 1月は7日。陽光燦燦、されど千切れ雲もまた多し。七草粥の朝食、屠蘇も祝ったー七日正月だ。こんな風習を忘れず祝っている家庭は、今どれくらいあるのだろう。メディアは新しいことばかり報じていて、伝統を継承しようとする報道姿勢が希薄だ。

 日本が日本でなくなる時が、もうそこまで迫ってきている怖れが拭い切れない。古い習慣はただ消え去るのみか。一度消え去ったものは、必要に応じてまた再興すれば良い、というのだろうか。慣れ親しんできた者には辛い決別なのだが…  (2021.1.7 記)

*七日正月(なぬかしょうがつ)=1月7日の祝い。日本では古くから、五節供の初めとして、七種(ななくさ)粥などを食べ、その年の無病息災を祈願し、遊宴などを催した=「大辞泉」。

(三輪公忠=みわ・きみただ=上智大学名誉教授、元上智大学国際関係研究所長、プリンストン大博士)

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2021年1月7日