・Sr.阿部のバンコク通信 (52) 暑いタイには派手な色分けがよく似合う

 タイ国の暑い気候には、なぜか派手な色彩がよく似合います。奇抜でハレーションを起こすような反対色や、大胆な柄のフリル付きの服装に、思わず見入ってしまいます。

 人の目を気にせず、自由に自分の好みの服装を身に着けて生きるタイ社会、何ともいい感じです。友人が言いました。「日本にいると、監視カメラに見られているようでタイに来るとホッとします」と。

 タイに来て間もない頃、国王様の誕生日に、皆こぞって黄色の装いでお祝いしているのにびっくりしました。国王誕生の月曜日の色を身に付けて、忠誠と感謝の気持ちを表すのです。

 曜日の色は、日曜は赤、月曜は黄、火曜は桃、水曜は緑、木曜は橙、金は空、土曜は紫。皆は、自分の誕生色を知っていて、格別の親しみを持って、その色を纏い大事にしているのです。

 政治闘争の時も。各徒党が同色の服装で集合し対決。対立勢力が赤と黄の其々の服装に身を固めぶつかり合つていました。各政党が独自の色を持ち、国会の議員座席も色分けしてあるのです

 例えば、カセサート大学(農大)は緑とか大学も独自の色を持ち、銀行もバンコク銀行が紫と、色で見分けがつき、航空会社も同様で、格安航空会社のノックエアは黄色の鳥です。

 

 

 タイ人の色分けへのこだわり。調べればキリがありませんね。「一目瞭然で一致団結し易い」からだそうです。単純なタイの国民性にピッタリ。それとポロシャツ大好きで、色分けポロが会社、各集会、催し毎にお見えです。

 僧侶は橙の袈裟、尼僧と私達修道者は正装の白。一昨年、女子パウロ会の初のタイ会員の終生誓願の折、白の制服をそろって新調し、タイの修道者の仲間入をりしました。

 この様なパンデミック情勢の中で、一目瞭然な姿、外見負けせずに、神の国の証人として生きる覚悟です。

(阿部羊子=あべ・ようこ=バンコク在住、聖パウロ女子修道会会員)

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2021年2月1日