八十路の祖国での宣教再出発、燃えています。イエス様の喜びと平和の福音を胸とカバンに詰めて、今年の聖年、「希望の巡礼」の年を歩み始めました。初日曜、市川カトリック教会に出かけミサに与り、新刊『声に出して読む7歳からの聖書』と『愛と平和の使者マザーテレサの日めくり』(私の書)の2冊の本の紹介展示即売。教会の皆さんとの新年の出会いと初売り、晴佐久神父様の説教と『行きましょう…』に激励された嬉しい出初式でした。
年末年始、改めて亜熱帯気候での来し方を、ぶるっと身震いしながら思い出しています。タイ国での宣教の日々、出会った人々が走馬灯のように浮かんできます。全てが神様の深い摂理のご配慮の裡(うち)にあり、今日に至った事、感謝と賛美のひと言です。
過日、国際NGOのWorld Vision のスタッフ養成のため、宣教体験から私が生きた『塩と光』について話す機会がありました。このNGOは、キリスト教精神に基づいて、緊急人道支援や途上国援助をしたり、市民社会や関係国政府へ支援を働きかけたりしている機関で、対象国は100カ国に上ります。
このNGOの職員としてカンボジアで働いていた方が、タイに立ち寄られ親しくなり、私が日本に帰ったのを知り、話を頼まれることになったわけです。出会いの不思議!
『塩』は、ほんの少し、人生をおいしく味付けし、役割を果たしたら見えなくなる…。『光』は出会う人々の道を照らすために、蝋燭のように『私』を灯しながら生きる—確かに、私の全てを精一杯、灯して、溶けて、生きて、消えていく人生でした。神様ありがとう、出会ったすべての人にありがとう。
新しい年も、燃えて、輝いて、命いっぱいの人生を生きたいと思います。コラムを愛読してくださる皆さん、心よりの祝賀とお祈りを捧げています。
『汝らは地の塩なり、世の光なり』(マタイ福音書5章13-14節)。
(阿部羊子=あべ・ようこ=聖パウロ女子修道会会員)