「困っている人を見守る」というのは、とても難しいです。どうしても、手を出したくなってしまいます。そこを、ぐっと我慢して、その人が自分自身で物事を解決できるよう、じっと見守る胆力をつけようと、日々挑戦中の私です。
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先日、昼食をとるために入った店に、明らかに幼い顔の女の子が二人いました。ネームプレートに『職場体験生』の文字があり、彼女たちが中学生だと分かりました。その女の子たちが、店のスタッフと一緒に、私の食事をテーブルに運んできました。
服薬のためのお水を頼み忘れてたのに気が付き、「この子に頼んで大丈夫かしら?」と不安を覚えつつ、「お薬が飲みたいので、お水を一杯もらえますか?」と彼女の目を見て伝えました。一瞬、目がゆらりと細かく揺れたのが分かりました。後ろについていたスタッフが「氷をお入れしてもよろしいですか?」とフォローしました。「はい、お願いします」と、スタッフと職場体験生の両方の顔を見てから、伝えました。
そんな出来事があって、中学3年の時の私自身の職場体験を思い出しました。職場体験をする場所について、先生が、生徒たちの挙手で希望をとり、希望者の名前を白いチョークで黒板に書きました。私は、保育園での体験を希望していましたが、希望者が多く、じゃんけんで決めることになり、それに参加したくなかったので、希望者のいない花屋さんを選びました。
「 第一希望ではなかったけれどせっかくだから、頑張りたい」と思い、たくさん質問を準備して、花屋さんでの体験に挑みました。花屋のおじさんが丁寧に指導してくださり、メモを取る紙が足りなくなったほどでしたが、「熱心に聞いてくれて、うれしかったよ」とほめてくれ、水がいっぱい入ったバケツを運ぶ仕事を、私たち中学生に任せてくれました。
その時は、おじさんの意図が分からず、重たくて大変だった記憶しかなかったのですが、振り返ってみると、私たち中学生が転ぶかもしれないし、バケツをひっくり返して水浸しにしてしまうかも知れないのに、それでも、仕事を任せてくれたことを、今になって、ありがたく感じます。
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神様は、私たち人間に自由を与えてくださいました。間違えるかもしれないし、失敗する可能性もあります。そんな人間を見て、危険から守るために、手を出したくなることもあるでしょう。それでも、私たちを信頼して見守り、成長を促してくださいます。また、何度失敗しても、決して見離さずに、私たちを見守ってくださいます。
だからこそ、私は今日も明日も、新しいことにチャレンジする勇気を持てます。いつも、私の可能性を信じて、見守ってくださる神様に、心から感謝!!
(東京教区信徒・三品麻衣)