・カトリック精神を広める⑭ 神様からの呼び掛け:聖マリアの場合

 

 あなたは信じるだろうか?神様から直接人間に呼び掛けることがあることを。

  聖マリアの場合は、ルカ福音書1章によると、天使ガブリエルが神から遣わされてマリアのもとを訪れて、こう言ったという。当時、マリアは16歳。既に、婚約者のヨゼフがいた。

 「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる… マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。 あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる」(28∼32章)。

 これに対し、マリアは「どうして、そんなことがありえましょうか。私は男の人を知りませんのに」。 当然ではある。未婚なのだから。これに対し、天使ガブリエルは「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを覆う。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。あなたの親類エリサベトも、老年ながら男の子を身ごもっている。不妊の女と言われていたのに、もう六か月になっている。神にできないことは何一つない」(34~37節)。

 これに対するマリアの答えは、秀逸である。マリアは言った。「私は主の仕え女です。お言葉どおり、この身に成りますように」(38節)。

  ここで重要なことは、いわゆる「処女懐胎」である。当時も今も、結婚していないのに、身ごもるなら、世間から白い目で見られるのは必至。それなのに、マリアは、「私は主の仕え女です」と言い、「お言葉通りになりますように」と述べている。この謙虚さの故に、人類は今も神への取り次ぎをお願いしている。

  婚約者のヨゼフは、マリアが身ごもっていることを知って、密かに別れようとしたが、夢の中で天使が現れ、「恐れず、マリアを妻に迎えなさい。マリアに宿った子は聖霊の働きによるのである。マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである」(マタイ福音書1章20~21節)。

  マリアは、息子のイエス・キリストのご受難に際して、ペトロはじめ弟子たちが離れていったのに、十字架上で死ぬまで、キリストに付き添い、最後はヨハネに引き取られた(ヨハネ福音書19章)。亡くなった後、マリアは肉体も霊魂も天に上げられたと信仰され、 1950年11月1日に、教皇ピオ十二世(在位1939~1958)が全世界に向かって、処女聖マリアの被昇天の教義を荘厳に公布している。

 

横浜教区信徒 森川海守 (ホームページ:https://www.morikawa12.com(X ツイッター:https://x.com/morikawa121(楽天ブログ: https://plaza.rakuten.co.jp/morikawa12/

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2024年12月31日