今回紹介したい本は、「ヨハネの黙示録を読む」(今道瑤子著、女子パウロ会、2000年4月1日初版)だ。
今道氏は、聖パウロ女子修道会のシスターで、ローマ・グレゴリアン大学神学部を卒業、教皇庁ローマ聖書研究所聖書学修士課程卒業の俊才である。ギリシア語本文から、研究しては黙想し、また原文を研究しては黙想しを繰り返して数十年かけた労作である。
黙示録の著者は、一般には、使徒聖ヨハネとされているが、現在では、そうではないというのが大方の学者の意見という。では誰か、本文を読んでいただくとして、ヨハネ黙示録は、新・旧約聖書の中で最も新しい書物で、一般会衆に向けて読んでもらうことを前提に書かれており、随所に出てくるシンボルやイメージは、この時代の迫害の中にあった人々には自明なことであった、という。
しかし、今の我々には「世間一般では恐怖の終末到来を告げる謎めいた書」として受けとられている。その理由としては、「ハルマゲドン」や「七つのラッパ」、「ほふられた子羊」といったシンボルやイメージが多々使われているからだ。中でも「神の子羊」という言葉がどのようにして生まれて定着していったのか、の考察は面白かった。
読者は、この本を読むことで、黙示録が読みやすくなり、「神からの光に照らされて現実を見つめ、歴史を導く神のみ手に自分を委ねて、神と兄弟に開かれた態度で与えられた命を生きるために、大いに助けとなる書物」であることを理解することができる、と氏は述べている。
(横浜教区信徒 森川海守=もりかわうみまもる=X:https://x.com/UMImamoruken)