カトリック系のニュース・メディアAsiaNewsが23日付けの北京発で伝えたところによると、河北省の”地下教会”教皇に忠誠を誓い、中国政府・共産党の管理・監督下に入ることを拒否している教会)宣化教区の教区長、 Agostino Cui Tai司教(70)=写真=が19日、公安警察に再度、逮捕・拘禁された。拘禁場所は不明、という。
また、アジアを拠点にするカトリック系のニュース・メディアUcanewsによると、昨年3月にTai司教が再拘禁されたのは、宣化教区の前司祭、 Francesco Zhang Li神父が「司教は、中国とバチカンが2018年秋に合意した司教任命に関する合意を守っていない」と当局に”告発”した後だった。Li神父は、中国政府・共産党の管理・監督を受け入れた”天主愛国協会”に所属している。
なお、香港のカトリック教会は、これまでもTai司教の釈放を繰り返し求めてきている。
中国政府・共産党、教皇に忠誠を誓う司教の就任認める
一方、カトリック系のUCA Newsが23日、香港発で伝えたところによると、中国陝西省の鳳翔教区では、教皇が司教に任命しながら、中国側がこれを認めていなかった”地下教会”のPeter Li Huiyuan神父(55)の司教就任式が同教区の聖ヨゼフ大聖堂で、中国政府・共産党の管理下にある「中国天主愛国協会」副事務総長の Dang Mingyan司教が司式て行われた。
UCA Newsによれば、Peter Li Huiyuan司教は、バチカンと中国が2018年秋に司教任命について暫定合意した後に、中国政府・共産党が司教就任を認めた”地下教会”司教としては4人目となる。
また、司教就任式のミサで、Peter Li Huiyuan司教は、「中国憲法を順守し、祖国中国と社会の調和を堅持し、国と宗教を愛する」ことを誓い、自身と信徒たちは「教会自身の独立と、中国のカトリックの方向に沿って、国家と力の偉大な復活という『中国の夢』実現に努める」と約束した、という。
同司教の就任を中国政府・共産党が認めたのは、今月9日に福建省福州教区の”地下教会”のPeter Lin Jiashan神父(83)を同教区の補佐司教に認めたのに続くものだ。
UCA Newsはこのことに関連して、2018年秋の中国国内での司教任命に関するバチカン・中国暫定合意について、この9月に見直しが行われる予定とされ、バチカン側は改めて司教任命の権限を主張しており、司教任命の実質権限を巡る行方は流動的としている。