・ミャンマーのカトリック教会が砲撃で破壊、死傷者12人以上-ボー枢機卿、軍に中止訴え

The Sacred Heart Church in Kayanthayar, following a military attack on May 24, 2021 The Sacred Heart Church in Kayanthayar, following a military attack on May 24, 2021  

 さらに、「ミャンマーではこれまでに、数百人が亡くなり、数千人が自宅から離れるのを余儀なくされている。最近のロイカウ市と近郊の攻撃で2万人以上が避難させらています」と枢機卿は指摘し、 「このようなことは、ただちに止める必要があります。戦いをエスカレートさせてはならない。新型コロナウイルスの大感染で生計の手段を奪われた何百万人もの貧しい人々が飢餓に直面する一方で、別の”感染の波”が起きているのです」と今起きている危機を強調した。

 また枢機卿は、「教会、病院、学校などは、ハーグ陸戦条約によって武力紛争中も保護されるはず。しかも、殺され、負傷させられた人は”敵”ではなく、この国の”市民なのです”。私たちミャンマーの司教団は、宗教指導者として、速やかな平和回復を願います。この素晴らしい国の平和を祈ります。私たち皆が、この国で兄弟姉妹として生きることができるように」と訴えた。

 ミャンマーで活動するイエズス会士たちも、聖心教会への攻撃を非難。「軍は民間人と教会に対する攻撃を直ちに止めねばなりません。これは、凶悪な犯罪であり、軍は自身が起こしたことの責任を問われる」とFidesの取材に答え、また、Facebookへの投稿で、「今や、安全な場所はどこにもない。政権を事実上握った軍部は無実の民間人を恣意的に襲い、殺している。人々は可能な限りの手段で自らの身を守る以外に選択肢はない。機関銃、榴弾、大砲、戦車、ヘリコプターなどの武力は持っていないが、『悪に抵抗する意志と決意』がある」と述べ、「人々は、いくつかの必需品と精神的な支援を一刻も早く必要としている。正義、真実、そして平和が優先されねばならない」と叫び声をあげている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2021年5月27日