・ミャンマーのカトリック教会、7日に平和を求める断食と祈り-世界の教会も和平表明続々-日本の教会は?

Medical workers in Myanmar join nationwide strike after military coupMedical workers in Myanmar join nationwide strike after military coup  (ANSA)

(2021.2.5 Vatican News  Robin Gomes)

 2月1日の軍事クーデターによって引き起こされた国の危機の平和的解決のために、ミャンマーのカトリック司教団が、7日の年間第五主日に祈り、断食、礼拝を捧げるよう、全土16教区の信徒たちに呼びかけている。

 ミャンマー・カトリック司教協議会の事務総長、ジョン・ソウ・ヤウハン補佐司教は声明で、「7日のミサを『この国に平和がもたらされるように』との意向をもって捧げ、全ての信徒にその願いを込めた特別な祈り、断食、礼拝に参加するように呼びかけることが、全司祭に強く求められます」と呼びかけた。

 ミャンマー国軍は1日のクーデターで、民主選挙で選ばれた国民民主連盟(NLD)から政権を奪い、国の指導者アウンサンスーチーとウィンミン大統領はじめ、NLD幹部を逮捕、拘禁しているが、声明では、全土の司教たちに、同国のカトリック教会のリーダーであるチャールズ・ボー枢機卿(ヤンゴン大司教)が3日に行った国民、軍、そして国際社会に対する呼びかけを、説教などを通して信徒たちに広く伝えるよう求めている。

*ボー枢機卿の呼び掛けに倣う

 ボー枢機卿は3日の呼びかけで、軍がクーデターの根拠としている総選挙で不正が行われたとの主張は、「中立的なオブザーバー立会いの下で、対話によって解決できたはずのもの」と言明。紛争再燃を回避する「重大な機会が失われた」と述べ、「世界の多くの指導者がこの衝撃的な行為を非難しており、また今後も非難するだろう」と批判した。

 そして、改めて、「対話を通じた紛争の解決」を国軍の指導者はじめ関係者に訴え、拘禁中のスーチー女史を含む人を釈放するよう要求。平静を保ち、暴力を避けながら、愛、真実、正義、平和、和解を通じて、共通善を実現するよう懇請した。

 

*国連安保理の呼び掛け

 国連の安全保障理事会は4日の声明で、今回の軍事クーデターについて深い懸念を表明。拘留されたすべての人々の即時釈放を求めるとともに、民主的な制度とプロセスを支持し、暴力を控え、人権、基本的自由、法の支配を完全に尊重する必要性を強調し、「ミャンマーの人々の意志と利益に従って、対話と和解の道を選ぶ」よう促した。

*世界のキリスト教指導者も

 ミャンマーの軍クーデターが起こした同国の危機に対して、世界教会協議会(WCC)やアジア・キリスト教会議(CCA)など、いくつかのキリスト教指導者も、平和的解決を求める声を上げている。

 英国のカトリック司教協議会会長のビンセント・ニコルズ枢機卿も、「非暴力、民主主義、対話」を説くボー枢機卿の呼びかけを支持。「ミャンマーの人々が自分たちの将来を決定する権利、平和、すべての政治犯の釈放、そして真の和解」の実現を心からの祈った。

 教皇フランシスコは2015年11月にミャンマーを訪問、政治指導者や宗教指導者たちと会見し、寛容で包摂的で平和な社会の育成に支持を表明していた。

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 ミャンマーの人口は約5300万人で仏教徒が88%を占め、カトリックを含むキリスト教徒は6.2%。イスラム教徒が4.3%でこれに次ぎ、残りはヒンズー教徒と精霊信仰者だ。 (出典:UCANEWS)

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2021年2月6日