・チェノットゥ大司教の追悼ミサ、カテドラルで捧げられる-天皇陛下から教皇宛てに弔電も

(2020.9.18 菊地大司教の日記)

 9月8日に、ちょうど四ヶ月の闘病生活の後に帰天された駐日教皇大使ジョゼフ・チェノットゥ大司教の追悼ミサが、教皇庁大使館の主催で東京カテドラル聖マリア大聖堂で捧げられました。司式は司教協議会会長の高見大司教で、日本の多くの司教が参加されました。また東京在住の外交団や、政府関係者からもご参列いただきました。感染症対策のため、カテドラルは入場制限をせざるを得ず、信徒の方々の参列はお断りせざるをえず、残念でありました。

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 現役の外交官が日本国内で亡くなると言うこと自体が滅多にあることではなく、日本の教会にとっても1983年に現役で亡くなられたガスパリ教皇大使以来の出来事です。

 教皇庁大使館を中心に、外務省、防衛省、司教協議会、東京教区と調整を行い、典礼や総務に関しては東京教区が担当しました。日本政府からは、現役の特命全権大使逝去にあたり、外交儀礼に則り、自衛隊の儀仗隊が派遣されました。

 また天皇陛下からは教皇フランシスコ宛てに弔電が寄せられ、茂木外務大臣や在日外交団長のサンマリノの大使から弔辞もいただきました。祭壇内陣前には、天皇皇后両陛下はじめ皇族の方々から、花輪が寄せられました。Nunciofuneral04

 ご遺体は、この後、故郷であるインドへ移送され、現地で葬儀が営まれます。チェノットゥ大司教は、インドでもシロ・マラバール典礼(インドに二つあるカトリック東方典礼のひとつ)に属しているため、教皇からはシロ・マラバール典礼のジョージ・アレンチェリー枢機卿宛てに弔電が送られ、ミサの最後に朗読されました。またご遺体はシロ・マラバール典礼の祭服を着用して、棺に納められました。

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 9年間に及ぶ日本でのお働きに、心から感謝します。

 教皇大使には外交官として国際政治における大切な役割もありますが、教会における役割も重要です。

 私を含め教区の司教は、それぞれが同じ立場で独立して教皇様に直結していますが、その司教と聖座の間を取り次いでくださるのが教皇大使の役割です。

 チェノットゥ大司教は、生前、精力的に全国各地の教会や修道院を訪問され、よく準備した日本語のメッセージを読まれたり、日本語でミサを司式されたりして、大変な「人気者」であったと思います。教会の皆さんにとって、教皇様の代理である大使が各地を訪問し、その実情を知り、励ましてくださることは、大きな喜びであり恵みであったと思います。

 その働きに対して、豊かな報いが御父のもとで与えられますように。

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2020年9月19日