フィリピン中部に25日、台風29号(アジア名:ファンフォン、Phanfone)上陸、カトリック教徒が多数を占める同国のクリスマスの休日を直撃して大雨をもたらした。現地の災害当局によると、26日朝までに中部で16人の死亡が確認された。
24日に上陸した台風29号は、小さな島々を次々に襲い、家屋を倒壊させ、木々をなぎ倒し、人気リゾートのボラカイ(Boracay)をはじめ複数の自治体で停電が起きた。
地元警察が明かしたところによると、大雨によりバラサン(Balasan)近郊の小川が氾濫し、25日朝に平屋1軒が押し流され、そこに住む男性1人と子ども3人、親族2人が行方不明になっているという。市民防衛局の関係者らの話では、台風が上陸した24日の夜を学校や体育館、政府庁舎といった仮設避難所で過ごした人は1万6000人以上に上っている。
台風29号の風速は毎秒50メートルを超えており、小さな木々は倒れ、粗末な家屋は破壊される猛烈な風となっている。フィリピン気象局の予報によると、台風は25日夜間にはリゾート地コロン(Coron)島に上陸するとされ、欧米からの観光客らがホテルなどにとどまったことから、コロンのビーチには人けがなく、ボートツアーも中止された。