・「緊急事態宣言」解除されても、状況見極めるまで、公開ミサ中止など継続-菊地東京大司教

(2020.4.27 カトリック・あい)

 菊地・東京大司教が27日、東京大司教区の全信徒に向けて、ホームページを通じ、「緊急事態宣言のなかにあって」と題するメッセージを発表した。

 それによると、現在、5月6日までとなっている政府の緊急事態宣言が、7日以降、段階的に解除されることになっても、「しばらく状況を見極める必要」があり、当分の間、公開ミサの中止などの「現状を維持する」としている。緊急事態宣言が解除された場合のその後の具体的な対応は解除された段階で改めて発表するが、「三つの密」を避け、責任ある行動をとるように求めている。

 メッセージの全文以下の通り。

「緊急事態宣言のなかにあって」

 カトリック東京大司教区の皆様

「私は世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」(マタイ28:20)と弟子たちに約束された復活の主は、新しいいのちに生きるようにと、わたしたちを招いておられます。感染症の拡大という困難な事態のただなかにあっても、わたしたちは、主がお見捨てになることなく、今日もまた共におられることを信じています。

 いのちの危機に直面する中で、人間の弱さを自覚させられているわたしたちは、「キリストの力がわたしの内に宿るように、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう」というパウロの言葉を思い起こします(2コリント12:9)。助けを求めている世界は、わたしたち弱い存在を通して働かれる力強い神の力を必要としています。

 ですから、できる限り家にとどまりましょう。それは逃げ隠れているのではなく、すべての人のいのちを守るための前向きな行動です。

 同時に、様々な事情から家にとどまれない人たち、とどまる家のない人たちに、力強い守りの手が差し伸べられるよう祈りましょう。またいのちを守るために、日夜懸命に働いておられる医療従事者の皆さんが、守られるように祈りましょう。病床にある人たちに、神の癒やしの手が差し伸べられるよう祈りましょう。

 困難に直面するわたしたちは、神の愛といつくしみのうちに、互いに助け合い、支え合い、尊重し合い、連帯する中で一致へと歩むことができるように、努めたいと思います。カリタスジャパンも、いのちを守る活動を支援するため、募金を始めました。

 緊急事態が宣言されている間、ミサの公開を含めた教会活動を中止しています。解除された後にも、しばらく状況を見極める必要があります。当面の間、現状を維持し、「三つの密」を避け、責任ある行動をとりましょう。今後の方向性については、緊急事態宣言が解除されたとき、お知らせできるように準備しています。

 集まることができない中でも、共にいてくださるイエスを中心として、わたしたちは一つのからだに霊的に繋がれています。今年の復活祭に洗礼を準備されていたものの、洗礼式がまだ行われていない皆さんも、そのからだの一部です。洗礼志願者の皆さん、それぞれの場にとどまりながら、神の力が世界を支配してくださいますようにと、共同体の皆と一緒に祈ってください。

 いつくしみ深い神が、すべての人を、まもってくださいますように。

         2020年4月27日 カトリック東京大司教区 大司教 菊地功

このエントリーをはてなブックマークに追加
2020年4月27日