(2020.8.25 カトリック・あい)
中国政府が国家安全維持法を導入して以来、香港に対する思想・言論統制が激しさを増しているが、香港の教育関係者の諸団体が香港政庁の教育長官に対し、教科書の事前検閲を止めるよう強く求めた。
カトリックの有力インターネット・ニュースLiCAS.newsが25日付けで報じた(https://www.licas.news/2020/08/25/hong-kong-educators-call-for-stop-to-censorship-of-textbooks/)。
同諸団体は Progressive Teachers’ Alliance, Hong Kong Educators Alliance, Hongkongers Education Support, and Education Breakthrough.などで構成され、教育長官あての書簡で「(教科書の事前検閲措置に対し)私たちは強い不満」を表明。「一般教養の教科書の政治的な検閲と(不適切と判断された箇所の)削除を止める」よう要求している。
LiCAS.newsによると、香港政庁の教育局が昨年9月、「教科書の内容を最適化するための専門的な助言をする」という名目で、一般教養課程の教科書に対する「専門助言サービス」を開始した。だが、同グループによると、教育局は、これを機に、教科書の民主的な政治の在り方など、政治に関する記述の大部分を手直ししたり、削除しており、「教育局は『教科書の質を高め、カリキュラムとの適合を図っている』と説明しているが、実際には、一般教養の教科書の内容を管理し、学生たちを洗脳するために、いわゆる”協議”を通した政治的検閲を行なっている」と批判している。
(写真は、国家安全維持法導入直前の6月中旬、香港の母校の側で民主制度維持を訴える学生たち= Isaac Lawrence/AFP)