ベトナム出身2人含む3人が司祭叙階‐イエズス会日本管区で‐日本の教会活性化のヒントに

(2017.9.24 カトリック・あい)9月23日、東京の聖イグナチオ教会(麹町教会)で教区長・岡田武夫大司教の司式で司祭叙階式が行われ、3人のイエズス会士が司祭に叙階されました。

 司祭叙階されたのはアロイジオ大西崇正、ヨセフ・グエン・タン・ニャー、洗礼者ヨハネ・ファン・デュック・ディンの3師です。叙階式には御親族、イエズス会関係者に加え、東京教区内外からも、日本在住のベトナム人信徒をふくめて、多数の信徒、友人が参加し、共に彼らの叙階を祝いました。3人のうち2人がイエズス会のベトナム管区出身ということで、ミサ典礼にも聖歌や朗読にベトナム語が多く取り入れられ、この面でも日・ベトナム親善の形となりました。

 日本にキリスト教を伝えた聖フランシスコ・ザビエルを創始者の1人にもつイエズス会は、ローマに本部を持ち、全世界で約2万人の会員が教育、小教区活動、広報、出版などを通じて宣教活動を展開しています。日本では、上智大学など二つの大学、栄光学園(神奈川県)、六甲学院(兵庫県)、広島学院、上智福岡の四つの中・高等学校を運営していますが、欧米や日本の教会と同じ問題、司祭の減少、高齢化の問題が深刻になっています。四つの中・高等学校にはカトリック学校であるにもかかわらず司祭を置くことができず、運営も、やはり司祭が激減している上智大学を運営する上智学院に、統合を余儀なくされています。

 一方で、日本の10倍以上、600万人の信徒を持つカトリック国ベトナムは、いまだに共産党一党独裁政権の下にあり、中国ほど強い宗教弾圧はないものの、司祭叙階や神学生の人数などが規制されており、多くの司祭希望者がいても、すぐには叙階まで進めない事情があります。日本がベトナムから司祭叙階を希望する方々を積極的に受け入れることは、イエズス会のみならず、日本の教会にプラスになることであり、イエズス会はその見本を示している、ともいえます。

 こうしたことが、今回のベトナムからの新司祭誕生の背景にあるわけですが、すでに東京教区などではベトナム人司祭が小教区活性化に先頭をきって活躍してくださっています。司祭、信徒の”少子高齢化”に悩む日本の教会が、再活性化していくためのヒントが今回の司祭叙階にあるのではないでしょうか。(「カトリック・あい」)

このエントリーをはてなブックマークに追加
2017年9月28日