(2023.5.20 カトリック・あい)教皇フランシスコが2015年5月24日に発表された環境回勅「ラウダ―ト・シ」にちなんで、世界のカトリック教会で「ラウダ―ト・シ」週間が行われる。それに先立って、日本カトリック司教協議会の同週間責任者である成井大介・新潟司教から19日、談話が出された。全文以下の通り。
地球の希望、人類の希望 ~2023年ラウダート・シ週間にあたって~(2023年5月21日~28日)
教皇フランシスコは、2015年5月24日に発表した回勅『ラウダート・シ――ともに暮らす家を大切に』の中で、すべての造られたものが互いにつながっていると教え、神と、自然と、人々と、自分自身とが調和のうちに生きていくことを目指すインテグラルエコロジーに取り組むよう招いています。ラウダート・シ週間は、5月24日を挟んだ一週間、この教皇の呼びかけに、とくに心を向けて祈り、行動し、祝うために設定されています。
今年のラウダート・シ週間は5月21日から28日で、世界共通のテーマは「地球の希望、人類の希望」です。そして、このテーマを深めるために見るように勧められているのが、昨年の10月4日、アッシジの聖フランシスコの祝日に公開されたドキュメンタリー映画、「The Letter」です。このドキュメンタリーは『ラウダート・シ』の呼びかけに関連し、周縁に追いやられた貧しい人の声、先住民の声、若者の声、自然界の声を代表する人々がバチカンに招かれ、教皇と対話するという内容になっています。
ドキュメンタリーの冒頭で、ラウダート・シ・ムーブメントの代表、ロルナ・ゴールド氏は次のように視聴者に語りかけています。「『ラウダート・シ』は、教皇フランシスコがあなたに書いた手紙です」。「教皇フランシスコはこの星に住むすべての人にあてて、彼が心配していることがら、世界の状態についての手紙を書いたのです」。
皆さんは、この教皇からの手紙、『ラウダート・シ』を読まれましたか。まだの方は、ぜひ読んでみてください。そして、自分自身が日々の生活の中で大切にしている、神と、自然と、人々と、自分自身との関係のあり方について、どのように教皇の手紙に返信できるか、考えてみてください。ドキュメンタリー「The Letter」は、きっとそのための助けになるでしょう。
「人格は、神との、他者との、全被造物との交わりを生きるために、自分自身から出て行って、もろもろの関わりに加わればそれだけ、いっそう成長し、いっそう成熟し、いっそう聖化されます」(LS 240)。
「The Letter」で、教皇と対話した人々は、互いの経験や知恵、思いに心を動かされ、新たな歩みを始めました。私たちもとくにラウダート・シ週間の間、人々との交わり、対話のうちに関係を深め、希望をもってインテグラルエコロジー*への取り組みを進めてまいりましょう。
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「The Letter――A Message for Our Earth」(YouTube配信)
https://www.theletterfilm.org/
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ラウダート・シ週間公式ウェブサイト(英語/西語/葡語/伊語/仏語)
https://laudatosiweek.org/
教皇フランシスコ回勅『ラウダート・シ――ともに暮らす家を大切に』
https://www.vatican.va/content/francesco/ja/encyclicals/documents/papa-francesco_20150524_enciclica-laudato-si.html