FILE PHOTO: A Rohingya refugee walks at a refugee camp in Cox’s Bazar
(2025.3.12 Vatican News Deborah Castellano Lubov)
ユニセフ(国連児童基金)の発表によると、バングラデシュのロヒンギャ難民キャンプにおける重度の急性栄養不良が、2月現在で一年前に比べて27%増加、子供たちの少なくとも15%が栄養不良で死亡リスクも高まっている。
2024年には長引くモンスーン雨により衛生状態が悪化し、重度の下痢やコレラ、デング熱の発生が急増した。さらに、過去2年間に断続的に実施された食糧配給削減の影響で、食生活の質が一段と悪化した。また、ここ数か月間で、避難民キャンプに避難する家族が増加している。
*2017年の大量避難以来、最高レベル
さらに、100万人以上のロヒンギャ難民(うち50万人以上が子ども)が暮らす世界最大の難民居住地であるコックスバザールでは、家族が緊急レベルの栄養状態に直面している。難民キャンプでは、子どもの15%以上が深刻な栄養不良に陥っており、これは2017年のロヒンギャ難民の大量避難以来、記録された中で最も高い水準である。
*栄養状態の良い子供たちの11倍の死亡率にも
年初、ユニセフは「2025年には、ロヒンギャ難民キャンプの1万4200人の子供たちが重度の急性栄養失調に苦しむ」と推定し、また、「不適切な食事、キャンプ内の水や医療への影響、配給量の減少がこれらの数字を上昇させる可能性がある」と警告した。そして、「子どもたちが適切な治療を受けられない場合、栄養状態の良い同年齢の子どもたちの11倍も死亡する可能性が高くなる」と警告している。
2024年を通して、ユニセフは重度の急性栄養不良に苦しむ5歳未満の子どもたち約1万2000人に救命治療を行った。重度の急性栄養不良は、子どもを危険なほど痩せ細らせ、衰弱させ、病気に対して非常に脆弱な状態にする。治療を受けた子どものうち92パーセントは回復したが、緊急かつ持続的な介入がなければ、重度の急性栄養不良は命にかかわる可能性がある。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)