(2025.4.11 Vatican News)
先日の大地震で甚大な被害を受けたミャンマーでは、被災者の救援を阻む形で、国軍と抵抗勢力との戦闘が続いている。8日には、チン州ファラムの町にある「王たるキリスト教会」を国軍が爆撃、破壊した。
チン州はミャンマで唯一、カトリック教徒が多数を占める州だが、国軍による空爆で2月にも、教皇フランシスコによって認可されたミナダ教区の大聖堂となる予定だった「イエスの聖心教会」が破壊されるなど、2021年以来、国軍の爆撃で同州では少なくとも67の教会を含む107の宗教施設が破壊されている。
現地からの報告によると、「王たるキリスト教会」は聖堂の壁を残して、屋根と内装は破壊された。死傷者は不明。この教会は、約1000人の信者の強い要望を受け、多大な犠牲を払って2023年11月に献堂されたばかり。75年前から使われてきた小さな礼拝堂に代わるものだった。
ファラムの町では、過去9か月間、国軍と、現在の軍事政権に反対する民兵組織「チンランド防衛軍」(CDF)との間で戦闘が続いている。
CDFは町を支配していた国軍と激しい戦闘の末、支配権を握った。地上戦で敗れた国軍は空爆と砲撃を開始しているが、今回の爆撃のように、民家や公共施設、教会を無差別に破壊している。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)