・カリタス・パキスタンがアフガン難民に人道支援の用意

(2021.8.19 UCanews Kamran Chaudhry, Lahore = https://www.ucanews.com/news/caritas-pakistan-on-alert-for-afghan-refugees/93790)

Caritas Pakistan on alert for Afghan refugees

 Afghan refugees cross the border into Pakistan at the crossing in Chaman on Aug. 18. (Photo: AFP)

   カトリックの国際援助機関の地域組織、カリタスパキスタンは19日までに、アフガニスタンに隣接する教区の支部に対して、タリバンの強権支配から逃れてくるアフガン難民を支援するよう求めた。

 現地メディアによると、これまでに、数千人のアフガニスタン人が、両国の国境の中で最も活発な交流ルートの1つであるチャマン国境から、パキスタンに流入している。

 これに対して、パキスタン政府は18日、シェイク・ラシード内相が「わが国に入国してくる難民はいない」と言明。アフガン難民受け入れの用意が無いことを示唆した。

 だが、カリタス・パキスタンのアムジャド・ガルザル事務局長によれば、200以上のアフガン難民の家族がすでにパキスタンのバロチスタン州クエッタの都市部に到着しており、「カリタスパキスタンのクエッタ支部とイスラマバード-ラワルピンディ支部は、現在生じている人道的危機に対応できるよう容易している」とUCANewsに語った。

 「パシュトゥー語を話すスタッフは、両支部の現地事務所にいると思われる。難民危機はしばしば長引くものであり、短期的なニーズ(飲料水、食事、医療面の応急処置など)と、精神面でのショック、慢性疾患、教育面での対処など、中長期的な課題の両方に対応する戦略が必要。また、物議を醸すソーシャルメディアへの投稿など、タリバンを必要以上の刺激するような行為を避けるよう、現地スタッフに警告しています」。

 カリタスパキスタンは、カイバルパクトゥンクワ州の州都ペシャーワルにあるアフガニスタン難民委員会と会談し、協力を約束。また、女性の支援団体Aurat (women)Marchは17日に声明を出し、難民受け入れの為にパキスタンに国境を開くよう要請。「パキスタンには、必要としている隣人に国境を開放し、国際法上の義務に従って難民の権利を確保する、という道徳的義務があります。私たちは、既存および新規の難民に対する政策を改革するために努めねばなりません」と強調した。

 パキスタンは、難民の地位に関する1951年のジュネーブ条約や1967年の議定書の締約国ではないが、カリタスパキスタンは1970年代、1990年代、そして米国の侵略後の2001年にアフガニスタン難民と協力、支援を行ってきた。

 なお、国連難民高等弁務官事務所によると、現在、パキスタン国内にはすでに140万人のアフガン難民がおり、うち30万人以上がカラチの南部港湾地域におり、43の難民キャンプができている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2021年8月20日