
〈2026.7.24 Vatican News)
バチカンのシノドス事務局長、マリオ・グレック枢機卿が24日、ジャカルタで開催中のアジア司教協議会連盟(FABC)第12回総会であいさつし、”シノドスの道”を進めるうえでアジアの現地教会が果たすべき重要な役割について語った。
グレック事務局長は、”シノドスの道”の進め方について、「大事なのは、シノダリティ(共働性)について語ることではありません。私たちの教会の日常の中でそれをいかに実践していくかを模索することです」と強調したうえで、2024年の「シノダリティに関する世界代表司教会議」後の、基本的な視点、「現地教会が果たす中心的な役割」について概説した。
「実施段階および各大陸の司教協議会連盟総会の道のりの主題は、何よりもまず、『現地教会』です」と述べた事務局長は、「『現地教会』は、単に普遍教会(バチカン)の行政上の下部組織ではなく、福音が宣べ伝えられ、秘跡が執り行われ、信徒たちがキリストとの交わりに集められる、特定の場所における教会の『真の現れ』なのです」と指摘した。
*神の民は、”シノドスの道”の歩みの「対象」ではない、「主体」でなければならない
続けて、事務局長は、今総会のテーマである「シノダル(共働的)回心への招きと、アジアにおける『架け橋』および『架け橋を築く者』としての使命」について言及。「普遍教会を、それが存在する具体的な共同体から切り離された『抽象的な現実』として理解してはならない… もしある現地教会が貢献を怠れば、それは普遍教会から不可欠な何かを奪うことになります。なぜなら、現地のすべての個々の教会は、神がキリストの体全体を豊かにしようと意図されている、独自の賜物、経験、資源、そして明確な証しをもたらすものだからです」と注意した。
そして、教皇フランシスコのリーダーシップのもとに2021年10月に始まった”シノドスの道”を振り返り、この道の歩みの根底にあるのは、「いかにして神の民に到達できるか」であり、「すべての人の参加は、何よりもまず『方法』であるべきだった。同様に、神の民は、この歩みの、単なる『対象』ではなく、何よりもまず、『主体』でなければなりません」と強調。
したがって、「教会に耳を傾けること。『シノダル(共働的)教会とは、耳を傾ける教会である』という観点から、これが私たちの(”シノドスの道”の歩みの)意図するところだった。具体的に言えば、各教会に耳を傾けることを意味しているのです」と述べた。
*”シノドスの道”の歩みの目的は、交わりを深め、宣教を支える賜物の循環を促すことだ
事務局長はまた、「経験」と「賜物」を分かち合うよう召されている各教会間の相互関係の重要性を強調し、「”シノドスの道”の歩みの目的は、新しい文書を作成することではない。交わりを深め、宣教を支える賜物の循環を促進することです」と説明した。
そして、”シノドスの道”の歩みから生まれた革新の一つは、「レストイトゥティオ(restitutio)」、継続的なフィードバックだ、とし、「歩みの各段階は、現地の共同体に戻され、そこで受け入れられ、改めて考察されるようにされた。したがって、その動きは一方向ではなく、双方向、いや、循環的なものとなりました… この方式は、”シノドスの道”の歩みが各共同体の現実の生活と密接に結びついた形で進むのを保証するために必要なことでした」と強調。
「現地の教会、すなわち、洗礼を受けた男女から成る『生身の人々』である神の民に耳を傾け、繰り返し耳を傾けることによってのみ、たとえ彼らが世界代表司教会議の通常総会のメンバーであったとしても、限られた数の『専門家』による取り組みが、教会の草の根を単に『押しつぶす』ことにならないという十分な保証が得られるのです」と述べ、このような方式を、アジアの各司教協議会が、形式ではなく、実質を伴う形で実践するよう暗に求めた。
*問い続けるべきは、「聖霊がアジアの教会を通して、全教会にどのような賜物を与えることを願っているか」だ
続けて事務局長は、特にアジアの教会について、他宗教との対話、文化的多様性、キリスト教徒がしばしば少数派である状況、そして貧しい人々との近さが、聖霊が今もなお働き続けている経験を指摘し、「根本的に問い続けるべきなのは、アジアの教会が”シノドスの道”の歩みから何を受け取るか、ではありません。聖霊が、アジアの教会を通して全教会にどのような賜物を与えたいと願っているか、です」と強調。
そして、「現在の段階―受容の段階―が、多くの点で、重要な段階であり、決定的なものになる得る… ”シノドスの道”の歩みが、文書や形式的な決定にとどまるのではなく、各教会内で生きた経験とならなければなりません」と司教たちに強く求めた。
*司教たちは、神の民に耳を傾け、交わりを守りつつ、教会の識別プロセスを伴走するよう召されている
さらに、”シノドスの道”の歩みにおける司教の役割について、事務局長は、シノダリティ共働性)とは、単なる参加の問題であるだけでなく、教区司教に委ねられた権威の奉仕について、より深い理解を得る機会でもある。司教たちは、神の民に耳を傾け、交わりを守りつつ、教会の識別プロセスを伴走するよう召されているのです」と強調。
「それぞれの現地教会が、自らを『賜物』の受け手であると同時に、『賜物』の担い手でもあると認識したとき、”シノドスの道”の実践は、大きな成果をもたらすでしょう… 教会間の実りある交流を通じて、教会は交わりとして、また福音宣教の主体として成長し続けるのです」と訴えた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)