・「ミャンマーとウクライナの人たちのために祈ろう」8月のカトリック平和旬間に向けて菊地・東京大司教がメッセージ

(2022.7.16 カトリック・あい)

 8月6日から15日にかけて、日本の教会は恒例の平和旬間を迎えるが、菊地・東京大司教が15日付けで、同旬間を前にしたメッセージを発表した。内容以下の通り。

2022年平和旬間にあたって

カトリック東京大司教区の皆様      カトリック東京大司教区 大司教 菊地功

平和旬間にあたり、今年もミャンマーの人々を忘れずに、祈りましょう

 平和という言葉が暴力によって踏みにじられる中で、今年も8月6日から15日まで、日本の教会は平和旬間を迎えます。

 2年以上にわたって、感染症による命の危機に直面する世界で、優先するべきなの命を守るために連帯することです。しかし、世界の現実は、全く異なる様相を見せています。

 ロシアのウクライナへの武力侵攻は、平和を求めてこれまで積み重ねてきた国際社会の努力を踏みにじる大国の暴力的行動として世界に大きな衝撃を与え続けています。姉妹教会であるミャンマーの状況は、2021年年2月に発生したクーデター以降、全く解決する兆候を見せていません。

 私たちの国でも、先日の参議院選挙期間中に、安倍晋三元総理が銃撃され、命を暴力によって奪われるという衝撃的な事件が発生しました。私たちの「共通の家」は、まるで暴力によって支配されているかのようです。

 1981年に日本を訪問された教皇聖ヨハネ・パウロ2世は、広島での「平和アピール」で、「戦争は人間の仕業です。戦争は人間の生命の破壊です。戦争は死です」と、平和を呼びかけられました。その言葉に触発されて、日本の教会は、戦争を振り返り、平和を思うとき、平和は単なる願望ではなく具体的な行動が必要であることを心に刻むために、この10日間の平和旬間を定めました。

 「戦争は人間の仕業」であるからこそ、その対極にある平和を生み出すのは、やはり「人間の仕業」であるはずです。「戦争は人間の生命の破壊」であるからこそ、私たちは神からの賜物である命を守り抜くために、平和を生み出さなくてはなりません。「戦争は死」であるからこそ、私たち命を生きている者は、戦争を止めさせなくてはなりません。

 77年前、世界を巻き込んだあの暴力的な戦争が終わった時、私たちは戦争に至った道を振り返り、反省し、二度と同じ過ちを繰り返さないことを誓ったはずでした。しかし、世界はその後も、暴力をもって互いの相違を解決するような行動を続けてきました。その度ごとに、教会をはじめ平和を希求する多くの人が声を上げ、平和の大切さを繰り返し主張してきました。

 しかしこの二年半、感染症による命の危機の中で、世界は守りの姿勢を強めて内向きになり、あたかも、異質な存在を排除することや連帯ではなく、対立することを良し、とするかのような道を歩んでいます。今こそ、過去を振り返り、現在の歩みを見極めながら、未来に向かって平和の大切さを主張し歩みを進めるときです。

 2022年の平和旬間は、ウクライナをはじめ世界全体の平和を祈ると同時に、改めて東京教区の姉妹教会であるミャンマーの教会に思いを馳せ、ミャンマーの人々のために、またその平和のために祈る時を、継続したいと思います。

 暴力の連鎖があるかのような世界の状況のなかで、次々と出現する悲劇的事態に、世界の関心は移り変わっていきます。その中にあって、地域の平和を乱す状況は一朝一夕では解決しないがために、「古い」事態は忘れ去られてしまいます。だからこそ私たちは、姉妹教会であるミャンマーのことを忘れず、今年も改めて、ミャンマーの平和のために祈り続けたい、と思います。

 ご存じのように、2021年2月1日に発生したクーデター以降、ミャンマーの国情は安定せず、人々と共に平和を求めて立ち上がったカトリック教会に対して、暴力的な攻撃も行われています。ミャンマー司教協議会会長であるチャールズ・ボ枢機卿の平和への呼びかけに応え、聖霊の導きのもとに、政府や軍の関係者が平和のために賢明な判断が出来るように、弱い立場に置かれた人々、特にミャンマーでの数多の少数民族の方々の命が守られるように、信仰の自由が守られるように、この平和旬間にともに祈りましょう。

 今年もまた具体的な行動として、8月7日の主日は「ミャンマーの人々のため」の意向でミサを捧げ、特別献金をお願いいたします。皆様の献金は、東京教区のミャンマー委員会(責任者、レオ・シューマカ師)を通じて、ミャンマーの教会に届けられます。

 なお、今年も感染症の状況が改善しない中、例年カテドラルで土曜日に行われていた「平和を願うミサ」や平和巡礼ウォークについても行わず、8月7日の主日10時に、関口教会のミサをその意向を持っての大司教司式ミサといたします。それぞれの小教区でも、この日の主日ミサで、ミャンマーの人々のためにお祈りください。

 神の望まれる平和が、この世界に実現しますように。御旨が行われますように。

                                              以上

2022年 カトリック東京大司教区 平和旬間
平和を求める祈り

いつくしみ深い父よ
すべての悪からわたしたちを救い
現代に平和をお与えください

現実を変えるにはあまりに無力だと感じる時
小さな一歩が
小さな祈りが
あなたの正義を実現するための力となることを
教えてください

暗闇の中に取り残されているミャンマーの兄弟姉妹が
闇を打ち破る希望の光に照らされ
真の平和と和解を実現することができますように

暴力が支配する世界の各地で
あなたのみこころが行われ
平和が実現しますように

平和の王であるあなたの御子
イエスキリストによって
アーメン

聖母マリア、私たちのために祈ってください。
アーメン

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2022年7月16日