・「カトリック香港教区は中国の政治的圧力に屈した」と信徒グループが批判  

(2020.8.11 かとりっく・あい)

Hong Kong Diocese accused of succumbing to political pressure  

香港のカテドラル、「無原罪の御宿り」教会 (Photo: UCA News)

 中国政府・共産党は香港国家安全維持法の導入を機に、香港住民に対する統制を一挙に強めているが、カトリック香港教区は、早くもそうした動きに屈した、との批判が、教会内部からも起こっている。

 カトリック系のニュース・メディアUCA Newsが11日付けで、その具体的な動きとして、香港教区が8月4日付けで、教区内の全カトリック学校に対して、国家安全維持法への認識を固め、中国国歌の「適切な導入を促進」するよう求める通達を出した、と報じた。

 記事によると、新法導入を機に教会に対する締め付けが厳しくなることを懸念するあるカトリック信徒のグループは「この通達は、香港のカトリック教会指導者が、中国政府・共産党の政治的圧力に屈服したことを示し、私たちの子どもたちの教育が危機に瀕していることを示すものです」と書面で訴えている。

 新法では、政治・社会活動などの自由確保を求めるデモや発言が、テロ行為、反逆罪と見なされ、中国国旗や中国国歌を”侮辱”するような行為も罰する、としている。

 教区の通達では、学校の名でなされる組織や活動に”注意を怠らない”ように求め、学校の名を使う場合は、事実関係を明確にすることを義務づけた。さらに、学校の管理者には、「教材や訓練機材をしっかりと監視」し、研究課題、試験、教科書については、「教育・学習過程」の中で「積極的な態度」を育てるようにすることが求められる、と規定している。

 さらに、「学校は、『国の安全と法の順守についての生徒たちの自覚を高め、国旗、国章、国歌を認識し、敬意を払える』ようにし、『カトリック教会の社会教説に従って、正しい国民意識を涵養する』のを助ける必要がある」と強調している。

 だが、UCAnewsの記事によれば、香港のほとんどの住民は「自分たちの意識は、中国本土の人々とは違う」と考えているが、中国政府は国家と国旗を義務付けることで、中国国民としての意識を強制しようとしている、と見ている。先の信徒のグループは声明で、香港の”公式”教会が、こうした中国政府・共産党の動きを支持することを「私たちは助けないが、カトリック教育の将来が心配」と深く懸念している。

 

 

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2020年8月11日