(2020.11.24 カトリック・あい)
現地からの複数の報道によると、香港の西九龍裁判所は23日、2019年の「逃亡犯条例」改正案を巡る19年6月の抗議活動で有罪と認定した民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)氏の勾留を決め、収監した。共に活動していた黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏と林朗彦氏も今回有罪と認定し、収監した。量刑は12月2日に言い渡されるが、最高3年の実刑の可能性が強い。
アジアを拠点とするキリスト教系ニュース・メディアLiCas.news(https://www.licas.news/2020/11/23/young-hong-kong-activists-detained-for-illegal-assembly-face-3-years-jail/)によると、黄氏は、起訴状のうち、無許可の集会に知っていながら参加したという検察側の主張には、検察側も証拠を提示しておらず、罪として認めなかった。また、法廷から連れ出される際、抗議活動の際に使われた激励の言葉「Everyone hang in there! Add oil(みんな頑張れ!)」と叫んだ、という。
2014年に香港で学生主導の民主主義、人権を主張する”雨傘運動”に17歳で参加し、リーダーとして脚光を浴びた黄氏は、23日、法廷に入る前に出した声明で、「恐らく、当局は私を繰り返し、刑務所に閉じ込めるでしょう。しかし、刑務所への収監、公正な選挙の禁止、その他いかなる公的権力も、我々の活動を止められない、ということを私は確信しています。我々が今しているのは、世界に向けて、自由の価値がどれほど高いものかを説明することです」と語った。
裁判所の外には数十人の支持者が集まり、民主主義擁護のスローガンを唱え、3人を釈放するよう声を上げた。
周氏はカトリックの信徒で、中国が導入した香港国家安全維持法に違反して”分離独立”を煽ったとして8月に逮捕され、その後、保釈されていたが、今回の裁判では、同法の違反については問われていない。「今回、もし私が有罪で収監されるなら、人生で初めて牢獄に入ることになります」と彼女は22日に自分のフェイスブックに書き込んでいた。
「心の準備はできていますが、少しばかり恐怖を感じています。それでも、多くの仲間たちに比べれば、私の苦しみはとてもわずかです。このことを考える時、私は勇気をもって、立ち向かっていこうと思います」と23歳の彼女は勇気を奮い起こす一方で、「もし私が、明日を、(注:量刑が言い渡される)12月2日を無事に過ごすことができたら、香港国家安全維持法に基づいて警察当局に申告しなければならない。次から次へと襲ってくる波に耐えるのは難しいことです。自分の心をしっかりと保てるように、望むばかりです」と苦渋を吐露していた。
LiCas.newsによると、国際人権活動NGOのHuman Rights Watchの中国担当上級研究員、Maya Wangは、有罪判決は不当、としている。「3人は何も誤ったことはしていません。香港政府は、即刻、3人の香港治安維持条例に基づく有罪判決を取り下げるべきだ。同条例が、表現と平和な集会の自由に関する権利から逸脱した規制を定めていること自体、間違っている」とツイッターに書き込んでいる。