・教皇、新疆ウイグル自治区での”イスラム教徒迫害”に初めて言及ー新本で

(2020.11.26 カトリック・あい)

 アジアを拠点とする有力カトリック・メディアUCA Newsが24日付けhttps://www.ucanews.com/news/pope-says-for-first-time-that-uyghurs-are-persecuted/90425で伝えたところによると、教皇フランシスコは、英国の伝記作家Austen Ivereighと共著の形でこのほど出版した「LetUsDream:The Path to a Better Future」の、イスラム教徒への迫害に触れた箇所で、「私はしばしば迫害されている人たちのことを考えます-(注:ミャンマーの)ロヒンギアの人たち、可哀そうなウイグルの人たちとヤズィーディー(注:イラク北部などのクルド人が信仰する民族宗教)の人たち)」と語った。

 中国当局は、新疆ウイグル自治区のイスラム教徒たちを長年にわたって弾圧し、100万以上を強制収容所に送り込み、最近では女性たちに強制的に避妊手術を受けさせ、ウイグル人イスラム教徒の人口を抑え込もうとまでしている、と言われ、国際社会から強い批判を受けている。

 だが、バチカンは、中国国内での司教任命に関する暫定合意を2018年に中国政府と結び、先月、これをさらに2年延長することに合意する中で、対香港政策などを含む中国当局の人権弾圧を当然、知りながら、世界各国のカトリック教会の現地代表である司教たちに、あからさまな中国批判を控えるように”通達”を出すなど、中国に過剰とも言える”配慮”をしてきた。

 そうした中での、今回の教皇の、新疆ウイグル自治区のウイグル人イスラム教徒を念頭に置いた初めての言及は、バチカンの国務省幹部などにある中国寄りの姿勢とは、一線を画するもの、と注目する関係者もいるようだ。

 

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2020年11月26日