・共産党公認の中国カトリック教会が上海司教をバチカンの同意なしに任命

Chinese Catholics

(2023.4.5  カトリック・あい)

 中国のカトリック教会上海教区が4日、過去9年間空席となっていた教区長に、国政助言機関の人民政治協商会議(政協)常務委員の申斌(シェンビン)司教が就任したと発表した。

 2018年にバチカンと中国政府が暫定合意し、現在も有効な司教の任命に関する取り決めでは、双方の合意が必要とされている。

 バチカンのマッテオ・ブルーニ広報局長は同日の会見で、中国側によって行われたこの人事を確認する一方、「バチカンは数日前に中国当局の決定について知らされた」と述べ、今回の司教人事がバチカンの同意なしに、中国側の一方的通告によってなされたことを認めた。

 中国は昨年11月にも江西省でバチカンが認めていない親切教区の補佐司教を一方的に任命、バチカン側が合意に違反するとして「遺憾の意」を表明していた。

 今回の中国側の行為に対して、ブルーニ局長は「バチカンとしてこのことをどう評価するかについて、現時点で何も言うことはない」としているが、度重なる暫定合意違反が、カトリック教会にとって最重要の年間行事である聖週間の最中になされたことに、教皇フランシスコとバチカンがどう対応するか注目される。

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 中国共産党公認の中国天主愛国会の公式メディア「中国天主教」が4日付けで伝えたところによると、同日、上海で申斌司教の教区長就任式が行われた。

 式は、上海市天主教教務委員会主任の吳振神父が主宰。中国カトリック司教団の楊宇神事務局長が申斌司教の上海教区長のポストへの異動に関する「中国主教任命書」を朗読。 中国天主教愛国会の会長で北京教区長の李山司教が、さらに、上海市天主教愛国協会の会長、盧欽明と吳建林神父が上海天主教会を代表してあいさつ。

 申斌司教は、「上海カトリック教会の素晴らしい伝統を継承し続け、国を愛し、独立と自己管理の原則を遵守し、中国におけるカトリックの中国化の方向性を遵守し、上海でのカトリック伝道の健全な継承をよりよく促進する」と抱負を語った。

 

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2023年4月5日