中国では、キリスト教などの礼拝所を、共産党とその指導者のイデオロギーの情宣活動センターに作り変え続けている。
福建省南東部の莆田市の宗教局は先月、500,000人民元（約75,000ドル）を費やして、秀嶼区の埭頭町にある三自教会（中国政府・共産党の承認を受けたプロテスタント教会）の礼拝所の1階を「新時代ための文化実践基地」に作り変えた。こうした”基地”は2018年後半から、中国全土に展開され、その施設として、国が接収した宗教施設が使われている。
【福建省の埭頭町にある三自教会の礼拝所の一階は、「新時代のための文化実践基地」に変えられた】
埭頭町町の施設の開所式は今月6日に、100人を超える政府・党関係者が出席し、毛沢東、習近平、および中国の他の過去および現在の共産党指導者に関する168枚のポスターが貼られた。教会の牧師はその日の説教で毛沢東についての話をすることを余儀なくされた。
建物の2階に残された”礼拝所”に集まった信徒たちを悲しませた。「私たちの集会が禁止される恐れがあるので、これらの宣伝基地化されるのを拒否できません。こうした動きに挑戦する力が残されていないのです」。
習近平主席に対する”個人崇拝”は、無数の礼拝所に最後通告をする際に、前例のないレベルに達した。習主席の肖像画をを飾らないと、礼拝所は閉鎖されるのだ。
江西省南東部の上饒市にある三自教会は8月に習主席の肖像画を掲げるように、との当局の命令を拒否したため、あらゆる宗教行事の禁止を言い渡された。その後、当局の担当者が教会に来て、礼拝所の壁に主席の肖像画を掲げ、建物の内外に”社会主義の核心的価値観”を宣伝する4つの旗とスローガンを掲げさせた。
「私たちは会場を失うことを恐れて、これに同意しなければなりませんでした」と教会の代表は嘆いた。
【江西省上饒市の“改装”された三自教会の礼拝所】
8月26日、浙江省東部の地級市である嘉興市の南湖区にある宗教局、公安局、共産党統一戦線部、その他の政府・党機関が、地元の三自愛国教会の60人の理事と説教者を招集した。集会は国旗掲揚と愛国歌の斉唱で始められた。
【 Yuxin Churchに掲示された聖書と”社会主義の核心的価値観”を並べたポスター＝写真左】
