・香港の言論弾圧激化・当局が民主派新聞の資産凍結、事業停止へ

Hong Kong pro-democracy paper unable to pay staff

A supporter of two executives from Hong Kong’s pro-democracy Apple Daily newspaper, chief editor Ryan Law and CEO Cheung Kim-hung, holds up a copy of the newspaper during a protest outside court in Hong Kong on June 19. (Photo: AFP)

(2021.6.22 カトリック・あい)

 英国から香港を返還された際の、一国二制度の適用―香港の民主政治を継続する、とのー約束を反故にし、民主勢力弾圧の姿勢を強める中国共産党・政府と香港当局が、言論弾圧を一段と強めている。

 カトリック系有力ネットニュースメディアUcanews(https://www.ucanews.com/news/hong-kong-pro-democracy-paper-unable-to-pay-staff/92953)などが21日までに伝えたところによると、当局が”民主運動”つぶしの標的にしている日刊紙「蘋果日報(アップル・デイリー)」は、創業者である黎智英(ジミー・ライ)氏の顧問、マーク・サイモン氏が21日、数日以内に事業閉鎖を余儀なくされる、との見通しを明らかにした。

 同紙は、当局が17日、関連3社の円換算約2億6000万円相当の資産を凍結、だらに、500人以上の警察官を動員して編集部門を手入れし、幹部5人を逮捕。資産凍結により、約700人いる社員への給与支払いも困難になっており、資産凍結の一部解除を裁判所に申し立てることも検討しているというが、見通しは暗い。

 中国共産党・政府そして香港当局の民主勢力に対する徹底した弾圧、そして、基本的人権に関わる報道の自由の深刻な圧殺の動きに対して、長期にわたって空席となっていた香港教区長に先月、教皇フランシスコから任命されたばかりの周守仁・司教が、カトリック教会としてどのように対応していくか注目される。

 蘋果日報では、中国共産党・政府が昨年6月に国家安全維持法を施行して以来、同法を根拠に、創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏を逮捕、起訴されたのに続いて、18日、同紙を発行する「ネクスト・デジタル」の張剣虹・最高経営責任者(CEO)と同紙の羅偉光(ライアン・ロー)編集長を「外国勢力と結託した罪」で起訴されている。黎智英氏は、一昨年の民主勢力の中国共産党・政府そして香港当局への抗議行動に参加した、として懲役刑に処せられているが、国家安全維持法で有罪判決となれば終身刑となる可能性もある。

 またサイモン氏自身も同法違反で当局に目を付けられているが、昨年香港を去り、現在は米国に滞在中。CNNニュースに「これらはすべて基本的に公安当局による措置。裁判所の判断ではない」と語っている。

 

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2021年6月22日