・中国の習近平主席、宗教関係者や信徒に対する愛国主義・社会主義教育強化を指示

(2021.12.6 カトリック・あい)

  中国共産党の機関紙・人民日報や通信社の新華社などが5日までに報じたところによると、 習近平・ 国家主席が、3日から4日にかけて北京で開かれた宗教の管理に関する会議で演説し、「宗教関係者や信徒たちの間に、愛国主義や中国共産党や中国の特色である社会主義についての教育を進め、共産党史の学習を強化しなければならない」と強調した。

 また、習主席は、「宗教関係者や信者に、偉大な祖国や中華民族、党を認める気持ちを持たせなければならない」と言明。「社会主義現代化強国」実現のため、宗教を信じる人々と広範な国民を「組織し、導く」と述べ、法や規則により、宗教活動への管理を強める考えも示した。

 中国政府・共産党は、新疆ウイグル自治区でのイスラム系ウイグル族の人々のほか、チベット仏教を信じるチベット自治区の人々、さらに中国全域の、教皇のみに忠誠を誓い、政府・共産党の管理・統制に従わないカトリックの”地下教会”の司教、司祭、信徒に対する弾圧をここ数年、強めてきているが、今回の習主席の”指示”を受けて、さらに、宗教団体、信徒、関係者に対する”中国化”の強制、不服従の団体,信徒に対する弾圧が加速することが懸念される。

 

(2021.12.8 Bitter Winter Hu Zimo)

  12月3,4の両日、中国共産党は北京で「宗教問題に関する全国会議」を開催した。これは2016年以来の最初の会議であり、2016年の会議で習近平・国家主席が宗教に対する一層厳しい取り締まりの計画を発表したことを考えると、今回の会議は始まる前から、宗教の信者たちにとって、”幸運の再発”ではなかった。

 会議には、習近平主席をはじめ中国共産党のトップリーダー全員が出席し、その前で習主席が演説した。その中で習主席は「2016年に開始した取り組みは続けられており、進展しているが、問題はまだ存在している」と語った。An image of the CCP national conference on religion. From Weibo.

 そして、特に「宗教的な宣伝やソーシャルメディアでの『不適切な発言』を防ぐためのインターネットの監視は、まだ適切に機能していない」と強調、「より多くの監視が必要であり、宗教的な改宗や政府の宗教政策に対する批判にソーシャルネットワークを使用する信者を罰する」よう、担当者に求めた。

 習主席はまた、政府が管理する宗教団体(つまり、政府・共産党から承認されたカトリックなど5つの宗教)は「『中国の特徴を備えた社会主義の宗教理論』を発展させるべきである」と述べた。これは特に、宗教団体が教会など礼拝所で、”中国の特徴を備えた社会主義活動”を行うことを学ぶ必要があり、そのような社会生活や若い世代の教育を妨害してはならない、ということを意味するものだ。

 また主席は、「未解決の問題」として、中国共産党から”独立して活動”しようとするものが「宗教界の一部」にあることを挙げ、問題の解決策は、「宗教を扱う官僚機構のイデオロギー的コミットメントを改善すること」であり、「マルクス主義の宗教理論によって確立された枠組みの外で活動するように誘惑されることがある」ことを警告した。Xi Jinping addressing the conference. From Weibo.

 さらに、「マルクス主義の宗教的見解に精通し、宗教的活動に精通し、宗教的信者との協力に長けた党および政府幹部のチームを育成し、中国共産党の宗教的活動理論であるマルクス主義的宗教的見解と政策を研究させる必要がある」と指摘。「宗教について十分な知識を持っている必要があるが、何よりも、マルクス主義のイデオロギーと政治を堅持し、宗教的見解を遵守し、…そしてマルクス主義の宗教学の規律の構築を強化することが重要だ」と強調した。

 また主席は「宗教の『中国化』とは、すべての宗教団体が共産党によって主導され、共産党によって管理され、彼らが共産党を支持することを意味する」と繰り返した。

(写真は Weibo.より)

(翻訳・編集「カトリック・あい」)

 

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2021年12月6日