・中国で教会、信徒への迫害強まる一方・女子修道院も嫌がらせの上に閉鎖(BW)

  バチカンが中国政府との国内の司教任命に関する暫定合意を更新・延長して一か月が経ったが、中国天主教愛国協会(CPCA)への加盟を拒む聖職者、信徒に対する中国共産党による脅迫と迫害、そして教会施設そのものの閉鎖などは、更新前から、強まる一方だ。

A Catholic church in Shenzhou was emptied before being closed down.

 (写真・浙江省の嵊州市(じょうしゅうし)のカトリック教会は、左の祭壇、十字架や聖像、聖画がすべて取り去られ=右、閉鎖に追い込まれた)

 

 山西省北部にある修道院の修道女8人が、現地当局による嫌がらせと脅迫を繰り返し受けた末に、このほど、修道院を去ることを余

儀なくされた。彼女たちは以前、海外で活動していたことから、これまで常時、監視下に置かれた板が、この8月に、修道院から十字架を取り除くよう命じられた。

 「十字架は救いの象徴です。それを取り除くことは、私たち自身の肉を切られるようなものでした」と修道女の1人は語った。「でも、私たちが十字架を取り除くことを拒み続ければ、修道院そのものが取り壊されたに違いありません」。そして、十字架だけでなく、他のすべての宗教的シンボルを一掃するように命じられ、結局、修道院に置かれていた十字架とマリア像など12点すべてが取り去られた。

 「当局は私たちを危険人物と決めつけ、繰り返し嫌がらせをしました… 私たちに幼稚園以来の経歴を書き出すよう要求

し、さらに、過去数か月の間に私たちがしたことすべてを開示するように指示しました。要求しました。私たちが旅行中に使用した車両のナンバープレートさえも教えろ、と言われた」という。

 修道院には、修道女たちと訪問者たちの出入りを監視するために、4台の監視カメラが設置された。食堂、台所、洗濯室にも設置しようとしたが、必死に抵抗して止めさせたという。

 だが、「警察官一人と自治体職員務員二人が、私たちを監視するために配置され、私たちの活動を調べるために頻繁に修道院に入ってきました。時には夜にもです。私たちに嫌がらせをするために何人かの凶悪犯や悪党を雇いさえしました。私たちが料理をしていると、厨房に入って来て、歩き回ったり、わいせつな行為をしたり、一緒に夕食をとるように求めたりしたのです」。

(写真・河南省鄭州市の宇通にある多くの信徒がミサに与っていたカトリック教会(左)は、十字架像も祭壇もすべて撤去され、車両置き場(右)にされてしまった)

 9月13日、河北省深州市のカトリック教会は、CThe Catholic church in Youtong village has been turned into a parking lot.PCAへの参加を拒否したため、十字架、その他の宗教的シンボル、彫像を取り去られ、閉鎖された。「共産党は文化大革命中よりもさらに厳しい宗教的抑圧を行っている」と会衆のメンバーはコメントした。

 河北省石家荘市の欒城区にある宇通客車村のカトリック教会も、愛国教会への参加を拒否したため、9月3日に閉鎖された。村の役人は、教会を閉鎖する前に、会衆のメンバーが宗教的な彫像と祭壇を取り除くのを監督した。「私たちがCPCAに参加すると、CCPによって完全に支配され、神から切り離されます。降伏しません!」教会員は決意を語った。

 8月5日、同じく石家荘市の長安区にあるカトリック教会は、州および市政府の検査に先立って地方当局によって封鎖された。また同市の別のカトリック会場は、宗教活動会場登録証明書を持っていないとして、5月に閉鎖された。地方当局者は教会の司祭にCPCAに参加するよう圧力をかけ、ミサを祝う権利を彼から奪うと脅迫しました。妥協することを望まず、司祭は引っ越し、今では小さな会衆の集まりを秘密裏に開いている。

 「私たちを”合法的”な信徒、教会となるよう強制することで、当局は私たちの信仰を捨てさせ、共産党だけを信じさせることを目指しています」と現地のある信徒は訴えている。

 

The closed Catholic church in the Chang’an district.

  (写真・石家庄市の長安にあるカトリック教会の入り口の扉には、地方当局によって閉鎖の張り紙が貼られた)

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
2020年11月4日