改・「中国天主愛国協会」の会長に北京大司教が就任、「”中華民族の偉大な復活の夢”実現へカトリックの”中国化”推進」約束

(2022.8.26 カトリック・あい)

 カトリック系ニュースサイトの  LiCAS.newsなどが伝えるところによると、8月20日閉幕した 第10回中国カトリック代表大会の最終日に、「中国天主愛国協会」の会長に、北京教区のヨゼフ・李山・大司教が任命されたと発表された。Archbishop Joseph Li Shan 2014 (15606607701).jpg

 同協会は、中国におけるカトリック教会の”自立”を明確にする目的で、中国政府・共産党の指導の下に1957年に設立された団体。中国には別に、バチカンが公認していない「中国司教協議会」があるが、同議長には、江蘇省海門教区のShen Bin司教が就任した。

 李大司教は57歳。1965年に北京市のカトリック信者の家に生まれ、北京神哲学院で学び、1989年に司祭叙階。2007年に教皇の同意を得て司教になったが、中国共産党とその統制下にある天主愛国協会寄りであると、以前から見なされてきた。

 なお、愛国協会が大会後にウエブサイトで発表した声明によると、大会では「司牧の精神を伝え、主を敬い、人々に利益をもたらす偉大なプロジェクト」について議論され、「愛国心の探求と、わが国におけるカトリックの中国化を深める輝かしい見通しを得た」としている。‎

 

(2022.8.28 Crux Contributor Catholic News Service)

 中国天主愛国協会が大会後にウエブサイトで発表した声明によると、同協会および中国司教協議会の新指導者の選出には、‎中国全土から300人以上のカトリック司教、聖職者、修道者が参加した。‎

 そして、新指導者となった‎李山・中国天主愛国協会会長とShen Bin中国司教協議会会長は声明で、「明るい未来」に向かって前進するために、「中国化のさらなる促進へ、全国の司祭、修道者、そして一般信徒を司牧伝道に関与させることを約束する」と述べた。声明はまた、昨年12月に開かれた中国共産党の「‎‎宗教問題に関連する業務に関する全国‎‎会議」の精神を実行し、中国共産党中央委員会が示したカトリック教会の要件を満たす必要があることを強調した。

 昨年12月の全国会議では、習金平・国家主席が「マルクス主義政策の厳格な実施、オンラインによる監視の強化、国家安全保障を確保するための宗教統制の強化」を全国の党、政府の地方組織に厳命している。‎

‎ 新指導者選出に参加した司教たちの声明では、「『新しい時代』のため、中国の特色を持つ社会主義に関する習近平主席の思想に従うために、司祭、長老、忠実な人々を団結させ、導く必要がある。高い愛国心と宗教への愛を持ち続ける。(そして)独立し、自己運営する教会の原則を堅持する」と約束。‎

‎ 二人の新指導者も、「中華民族の偉大な復活の夢」の実現へ、「愛国勢力の建設を精力的に強化する」ために、中国における「カトリックの中国化」の方向性を固守することが重要であると考える、と述べたという。‎

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

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2022年8月26日