・次はマカオだーオウ・カム・サン氏の事件が示す中国政府・党による弾圧激化

(2026.7.15  Bitter Winter 

 ある反体制派の人物の裁判は、この静かな都市が国家安全法をいかに執行し、それが広範なAu Kam San.影響を及ぼしているかを浮き彫りにしている。これは中国の新法の下でマカオの裁判所で審理された最初の事件だ。

 長年にわたり、中国政治の観察者たちは、国家安全法が公共の生活を再構築した場所として、香港に注目してきた。マカオへの注目度は低かったが、それはおそらく、マカオの市民社会が小規模だったか、あるいは政治的議論が目立たなかったためだろう。しかし、オウ・カム・サン氏の事件は、同じ法的枠組みがマカオでも断固として機能しており、その執行がかつてこの地域の民主化への願望を体現していた人物にまで及んでいることを示している。

 マカオ特別行政区第一審裁判所は7月9日、オウ・カム・サン氏の事件の予備審理が7月2日に終了した、と発表した。裁判官らは検察側の起訴内容を認めたため、手続きは今後公判段階に移行する。本件は、マカオの国家安全法が初めて適用された事例である点で重要だ。

 オウ・カム・サン氏はマカオでよく知られた名前だ。1957年生まれで、マカオで育ち、東亜大学で社会科学を学んだ後、広州で教育学の修士号を取得し、地元の小中学校で教鞭を執るためにマカオに戻った彼の公的な活動は1980年代後半、後に「マカオ民主発展連盟」となる団体に参加したことから始まった。六四事件後の弾圧期においても、マカオの多くの民主化活動家が脅迫や職業上の圧力、街頭での暴力に直面する中、彼は活動を続けた。やがて立法会に当選し、返還後も5期連続で議員を務め、同市で最も知名度の高い民主派の代表者の一人となった。

 その道のりは摩擦なくして進んだわけではない。2018年、通信傍受法案に関する公聴会で、彼は警察の監視権限に疑問を呈し、「電話会話の監視には司法の許可が必要だ」と主張した。公安警察のトップは彼を「無謀な憶測」や「誹謗中傷」で非難し、当局は刑事告発に踏み切った。この出来事は、異議を唱える余地がいかに狭まっているかを示す分水嶺となった。

 2021年、彼が北京による香港の選挙制度の抜本的改革を批判すると、数名の立法会議員が説明と撤回を要求した。彼は最終的に再出馬しないことを表明し、20年にわたる直接選挙の歴史に幕を閉じた。

 『Bitter Winter』が報じたように、転機となったのは2025年7月、マカオの司法警察が国家安全法第13条に基づき彼を逮捕した時だった。同条項は、「国家安全に有害とみなされる外国組織との接触」を犯罪」としている。当局は、2022年以降、彼が海外の団体と連絡を取り合い、大量の「虚偽かつ扇動的な」情報を提供し、ネット上での反中感情の顕在化に加担したと主張した。また、中国およびマカオに対する敵対的行為を助長し、同地域の選挙制度を損なったとも非難した。彼の自宅は家宅捜索を受け、書籍が押収され、妻は取り調べのために連行され、後に証人として登録された。

 起訴内容は深刻だ。彼は「国家権力の転覆」および関連罪で告発されており、最高で25年の刑に処される可能性がある。本件は7月2日に予備審理を終え、現在は公判待ちの状態にある。欧州連合(EU)は昨年8月2日、声明を発表し、今回の逮捕およびマカオにおける政治的多様性と表現の自由の侵食について懸念を表明した。国際的な人権団体もこうした懸念に同調し、2023年に採択された国家安全法が「処罰対象となる行為の範囲を拡大し、政治的発言、学術交流、市民社会活動にも適用可能な広範な犯罪類型を創設した」と非難している。

 マカオが世界のニュースの見出しに登場することはめったにないが、その法的環境は、論理的にも適用範囲においても香港のそれと類似している。

 アウ・カム・サン氏の事件は、国家安全法がいかにして同地域の政治情勢を再構築する手段として機能しているか、またその執行が、公共奉仕と民主的参加を基盤にキャリアを築いてきた個人を標的としているかを示している。さらに、許容される言論の境界がいかに狭められ、当局がいかなる外国組織との接触も潜在的な脅威として扱っているかも浮き彫りにしている。

 アウ・カム・サン氏は現在、マカオの拘置施設に収容されている。彼の裁判は、この地域にとって正念場となるだろう。かつてその政治生活を特徴づけていた、たとえ限定的であっても、多元主義からその制度がいかに遠ざかってしまったかを明らかにするからだ。この事件は、弾圧が必ずしも最も注目を集める場所で起こるわけではないことを思い起こさせる。

 時には、カジノや観光で知られるこの都市で、静かに進行することもある。そこでは、元立法会議員が、マカオにおける異議申し立ての未来を決定づけるかもしれない判決を今、待っているのだ。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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Au Kam San. Credits.

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2026年7月17日