(2024.7.30 Bitter Winter ZHANG CHUNHUA)
中国愛国天主協会の広東省恵州支部が7月10日に黄家堂カトリック教会で開いた「カトリック教会の包括的かつ厳格な統治を促進する会議」は、中国共産党の統一戦線工作部が始めた「厳格な宗教統治」がカトリック教会にも適用されることを示している。(写真左は会議の様子、右は会議が開かれた恵州の黄家堂カトリック教会=微博より)
「厳格な宗教統治」は、カトリックや仏教など政府・共産党が公認した5つの宗教に対して、集会やその場での説教などに習近平思想と「社会主義的価値観」を中心に置くよう求めるもの。これは、これらの宗教の活動に対する統制が十分効果的になされてこなかったとの政府・党の判断の裏返しでもあが、具体的には、国内の諸宗教の監督機関である中国共産党・統一戦線工作部の直接監督下に置くということを厳格化するということだ。
統一戦線工作部は、6月26日の「宗教の中国化に関する全国指導者セミナー」の直後、同月27日から28日ま
で陝西省西安で開いた「中国キリスト教の厳格な宗教統
治の実施交流会」を通じて、プロテスタントの間で「厳格な宗教統治」を推進し始めた。統一戦線がチベット仏教徒と回族イスラム教徒にこの政策を拡大している、とも伝えられている。
7月10日の会議のメインスピーカーは、恵州市・共産党委員会・統一戦線工作部の陶茂勇・副部長(同市・民族宗教局長を兼務)で、中国愛国天主協会に所属する市内のすべての司祭と修道女が、一般の労働者とともに召集された。
陶氏は「厳格な宗教統治」の概念を説明し、カトリック教徒は「政治指導、団体システム構築、聖職者管理、活動会場管理、募集、インターネット宗教情報サービス」の6つの分野でこれを適用せねばならない、と述べた。「これらすべての分野で、聖職者と一般の指導者は「社会主義の核心価値」が教会のメッセージの中心にあることを確認し、統一戦線の監督下に置かれねばならない」。
これは恵州市の地方集会だったが、恵州市は人口600万人の大都市で、かお伝統的にカトリック教徒が多いことから、カトリックに対する「統治」厳格化にとって重要な意味を持つ。この集会は中国政府・党をあげて「厳格な宗教統治」推進の取り組みが続いていることを示しており、Bitter Winterは統一戦線工作部が全国各地でこうした集会を企画しているという報告を受け続けている。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)