・中国当局が、バチカン任命の司教、司祭7人、神学生10人逮捕ー聖職者規制の新規則実施

(2021.5.25 カトリック・あい)

 カトリック系の有力メディア、AsiaNews(http://www.asianews.it)とUCanews(https://www.ucanews.com/)が24日までに報じたところによると、中国の「扶助者聖母の祝日」直前の20日、河北省で公安当局が少なくとも100人の職員を動員、同省沙河橋にあるカトリック・新郷教区の神学校を襲い、司祭7人と神学生10人を逮捕。さらに翌21日、教区長の張維柱(Zhang Weizhu)司教を逮捕・拘禁した。

 教皇フランシスコは23日の聖霊降臨の主日の正午の祈りの中で、世界の全ての教会、信徒に、翌24日に「キリスト信者の助けなる聖母(扶助者聖母)」を祝う中国のカトリック信徒たちに熱心な祈りをもって寄り添うよう呼びかけられたが、そうした教皇の中国の信徒たちへの思いを踏みにじる行為といえる。また、関係者の間には、先に中国政府との間で司教任命に関する暫定合意の延長に踏み切った”中国政府・共産党寄り”とも見えるバチカンの姿勢に、「教皇への忠誠、キリストへの信仰の自由を貫こうとする”地下教会”の聖職者、信徒への裏切りではないか」との声も出ている。

 張司教は1985年に司祭に叙階され、1991年に当時の教皇ヨハネ・パウロ二世によって司教に任命されている。中国政府・共産党の規制・監督下にある中国天主愛国協会に不参加のため、政府・党は公認していなかった。 中国の教会関係者によると、バチカンが中国との間で司教任命に関する暫定合意を結んだ2018年秋以降、中国政府・共産党の規制・監督を拒否する”地下教会”の司教、司祭、信徒に対する迫害はひどくなっている。さらに今月1日からの「宗教の聖職者管理のための新規則」実施を機に、カトリックを含むキリスト教、仏教、イスラム教の聖職者、信徒で政府・党への忠誠を拒否する人々への迫害は加速しており、今回の動きもそれを象徴するものと、関係者の間で受け取られている。

  AsiaNewsとUCanewsによると、襲われた神学校は河北省の教会所有の元工場を転用していたが、中国政府・共産党が5月1日から施行したカトリック、プロテスタント、仏教、道教、イスラム教の5つの”公認”宗教の聖職者管理のための新規則をもとに、当局が違反と判断し、神学校を閉鎖、全員の私物などをすべて没収した。

 新郷教区は1936年に開設され、カトリック信徒が10万人いるとされているが、共産党が中国の政権を取って以来、政府が公認しておらず、新規則では、同教区における司教、司祭、信徒の活動は「犯罪」と見なされる、という。

 AsianNewsによれば、公安と警察はさらに、信徒の家庭を個別に探索しており、十字架、彫像、神聖な画像、教皇の写真などカトリックの信仰を示す事物があれば、押収・破壊したうえ、罰金を科している、という。

  またUCanewsによると、中国共産党のカトリックを含む宗教団体による教育活動の禁止措置を受け、新郷市当局が昨年、新郷教区のカトリックの学校と幼稚園を閉鎖したと伝えられるなど、中国全土で、カトリック教会などが運営していた貧困児童や孤児、障害児のための施設の閉鎖が相次いでいる、という。

 

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2021年5月25日