中国・広東省のカトリックの聖職者と信徒指導者は、残忍な国共内戦の共産党の恩陽台独立大隊の功績を称えるために動員された。
カトリック教徒にとって巡礼は重要だが、「愛国教育法」の施行で、聖母マリアの聖地への巡礼は、革命の遺跡や博物館への強制的なツアーに取って代わられている。
具体的には、中華人民共和国建国75周年を祝って、政府・党公認の中国天主愛国協会の広東省陽江市支部が9月3日、教区司祭と信徒指導者が「革命教育」の地を訪ねる巡礼を企画、実施した。
陽江市中国天主愛国協会の李長明会長に引率された司祭と信徒指導者たちは、恩陽台独立大隊の物語を称え、毗竹村と平蘭村の地を巡礼したが、この場所は2021年に整備され、記念館が作らられ、急速に共産主義者の巡礼の中心地になりつつある。
実在した恩陽台独立大隊は、内戦中に国民党が支配していた地域で、相手側要人暗殺を含むテロ活動やスパイ活動を行った共産主義活動家の冷酷な集団だった。その主な任務は、強制的な徴兵と、国民党治世化の高い課税に対する反発を利用して農民を扇動すること。内戦が進むにつれて、恩陽台独立大隊は最終的に中国人民解放軍の部隊となり、共産党員が校長を務めていた毗竹村の小学校に本部を置いた。学校は廃墟になっていたが、修復され、記念館となった。
”巡礼団”を引率した李会長は、これらの巡礼の目的は「愛国教育」の一部であり、「カトリックの司祭と信者が赤い血統を継続し、赤い遺伝子を受け継ぎ、前進することを学ぶ」ことだと説明した。
カトリックが、暴力的な共産主義の扇動者(かなりの数のカトリック司祭などを殺害した)の「赤い遺伝子」や「赤い血統」とどう関係があるのかは不明だ。あるいは、非常に明白なのかもしれない。2018年のバチカンと中国の合意後、バチカンの承認も得て活動している中国天主愛国協会は、カトリックの司祭や信徒指導者を「赤い血統」の忠実な共産主義者に変えるという主な事業を続けている。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)