・リビアで殉教のコプト教徒21人をカトリック教会の「ローマ殉教録」に記載-教皇が発表

教皇フランシスコとコプト正教会教皇タワドロス2世 2023年5月11日 バチカン、レデンプトリス・マーテル礼拝堂教皇フランシスコとコプト正教会教皇タワドロス2世 2023年5月11日 バチカン、レデンプトリス・マーテル礼拝堂  (ANSA)

 タワドロス2世・アレキサンドリア教皇(聖マルコ大主教管区総主教)は、バチカンで1973年5月に行われたパウロ6世とシェヌーダ3世との歴史的会見から50年を記念し、ローマを訪問している。

 11日は、教皇フランシスコとタワドロス2世が、バチカン宮殿の書斎で個人会談を持った後、教皇がタワドロス2世とコプト正教会の使節に公式の挨拶をされ、「この出会いは、これまでたどった一歩一歩を神に感謝し、熱望される一致の恵みを祈るためのものとなりました」と強調。

 コプト正教会教皇とローマ教皇との初めての出会いとなった、1973年5月のローマでのパウロ6世とシェヌーダ3世との交流、その際署名された「共通のキリスト教的宣言」を、友好の歩みの出発点として思い起こされた。さらに、それに続く重要な出来事として、1979年のヨハネ・パウロ2世とシェヌーダ3世による「カトリック教会とコプト正教会の一致の追求におけるガイド的原則」への署名、2004年のカイロでの両者の会見、2013年5月10日のご自身とタワドロス2世との最初の会見と、「コプト教会とカトリック教会の友情の日」の創設-を振り返られた。

 そして、コプト正教会から「2015年2月15日にリビアで殉教したコプト教徒21人の聖遺物」がバチカンにもたらされたことに感謝され、「これらの殉教者たちが流した血は、キリストのすべての弟子たちの一致の種です」と語らられるとともに、タワドロス2世の同意のもとに、この21人の殉教者たちを両教会の霊的交わりのしるしとして「ローマ殉教録」に記載する旨を発表された。

 21人のうち20人がエジプト人、1人がガーナ人で、2015年2月15日、リビアでテロ組織”イスラム国”の”兵士”によって斬首された。 コプト正教会では、以来、毎年2月15日を彼らの殉教の記念日として祝っている。

 教皇は、殉教録への21人の記載発表で、「殉教されたコプト教徒たちの祈りが、Theotokos(神の母マリア)の祈りと共に、私たちが同じ祭壇で(主の死と復活を)記念し、救い主の体と血を共に受けることができる恵みの日まで、私たち(カトリック教会とコプト正教会)の友愛が育つのを助け続けてくれますように」と祈られた。

 この後、教皇フランシスコとタワドロス2世は、バチカン宮殿内のレデンプトリス・マーテル(贖い主の御母マリア)礼拝堂で共に祈りを捧げた。

(編集「カトリック・あい」)

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2023年5月12日