(2020.8.28 Vatican News Robin Gomes)
世界のカトリック教会をはじめキリスト教諸教会が参加する「被造物の季節(Season of Creation)」が9月1日から始まる。1日の「被造物を大切にする世界祈願日」からアッシジの聖フランシスコを記念する10月4日まで、被造物を保護するための祈りと行動を国際的に展開する。
これに合わせて、地球環境問題に積極的に取り組んでいる聖コロンバン会(本部・アイルランド・ナバン)が、生物多様性の世界の素晴らしさと直面する脅威について世界の人々に改めて認識を深めてもらおうと、インターネットで動画配信を行うことになった。
動画配信は“Jubilee for the Earth – A Podcast on Biodiversity and our Sacred Story.”のタイトルで、それぞれ約15分の6つのシリーズからなり、8月31日夜から配信開始の予定。米ワシントンにある同会の Justice, Peace & Integrity of Creation (JPIC) 事務局を中心に、アイルランド、イギリス、フィリピン、香港、韓国、ミャンマーなどで働く同会の宣教師たちが協力して制作した。
シリーズでは、生物多様性と、経済正義、宗教間の対話、移住、平和、非武装化などの関連する問題を取り上げる。
具体的には、パキスタンのハイデラバード教区で活動しているリアム・オキャラハン神父は、同国の生態学的な危機を取り上げ、「廃棄物の投棄と未処理の工業廃水の排出でカラチの海域は極度に汚染され、海洋生物の種の40%が姿を消した」現状を語るとともに、「同国のイスラム教の文脈で、生物多様性を守ることの重要性と、宗教間対話の必要性を、多くの人に理解してもらいたい」と政策の主旨と希望を述べている。神父は、すでに、ハイデラバード教区の15の教会に動画配信の案内状を送り、JPICと宗教間対話のページとリンクさせ、「すでに1500人以上が視聴を予定してくれています」と言う。
聖コロンバン会は、1917年にアイルランドのエドワード・ガルビン、ジョン・ブロウィックの二人の神父によって設立され、現在、世界15か国で活動しており、日本での宣教活動も70年を超えている。
The Columbans’ “Jubilee for the Earth”