・自発教令発布、規則書の配布、専門家の支援チーム編成、フォローアップ会議ー最終会見で具体策発表

(2019.2.24 Vatican News)

 「教会における未成年者保護」をテーマとする全世界の司教協議会会長と主要修道会総長などによる”サミット” は24日夕、バチカンでの最終記者会見で幕を閉じ、「児童を保護し、虐待を戦うため具体的に、決意をもって取り組む」ことを宣明した。

 ”サミット”開催中の記者会見は21日から毎日行われ、今回が4回目となったが、記者団からの質問でとくに強調されたのは「今度は何?」-会議の開会当初、特に「未成年者たちの保護について教会を助ける『具体的な』取り組みを考え出すように」と、教皇フランシスコから指示を受けた出席者たちの対応について、期待は高かった、それがどうなったのか、だった。

 そして、「今度は何?」の質問に対する4つ目の答えについて、”サミット”の準備・運営に当たって来た組織委員会が、バチカンの関係部署のトップたちと会議を持ち、今回の”サミット”を受けた今後の対応と「今度は何?」との問いかけへの対応についても議論することになる、と説明した。

*メディアとの関係は

 今回の”サミット”は世界中の注目を引き、メディア関係者による取材、報道も活発にされた。バチカンの広報の部署のパオロ・ルッフィーニ長官はその働きに感謝する一方で、「真実を探求し、伝える」とうジャーナリストの役割も強調。「偏見を持たずに人の話を聴く」ことの重要性を指摘し、「皆が話をし、誰もが聴かないなら、コミュニケーションは成立しない」と述べていた。記者会見で長官と他の出席者たちは、メキシコ人ジャーナリストのバレンチナ・アラズラキ女史が今回の会議で、「全ての人に対するコミュニケーション」と題して「透明性」について基調報告をし、”勇気”ある貢献をしたことを讃えた。

 会見で、アラズラキ女史は、この問題で記者たちに「教会と共に働く」ように訴える一方で、司教たちに、「ノー・コメント」と絶対言わないように、「タイムリーで公正な情報」をメディアに提供することを守るように、と注文を付けた。

*”サミット”の感想-女性の貢献の大きさ、教皇の閉幕スピーチが示した決意‥

 「未成年者保護」の集まりの”収穫”は何か、と聞かれたボンベイ大司教のオズワルド・グラシアス枢機卿は「それは、タイムリーで、有益で、必要なもの」と答え、自身と仲間の司教たちは「虐待の問題への対処は”カトリック教会の優先事項”だ」という広く共通した理解と自覚をもって帰国することになった、と説明。また会議における女性の貢献を讃え、「女性的な洞察力と物の見方」の価値を強調した。

 マルタのチャールズ・シクルーナ大司教はこの4日間の会議の印象について語り、特に、教皇の閉幕のスピーチ、虐待を隠蔽を「筆舌に尽くしがたい犯罪」とされたことに心を打たれた、とし、「もう後戻りはできません」と言明した。また、虐待被害者たちが会議に出席したことは、この会議での重要な経験となったが、「私たちは、被害者の声を聴くことができないのです」と付け加えた。さらに大司教は「その日の終わりに心の変化がある、それがどれほど重要か」と強調し、自分たちには正しい動機が必要で、そのために、会議で「新鮮な空気」を吸えるようにしてくれた女性の声を含め、異なる声を聴く必要がある、とも指摘した。

 ”サミット”の組織委員会の委員で教皇庁立グレゴリアン大学の児童保護センターの所長を務めるハンス・ゾルナー神父(イエズス会士)は「10年に及ぶ旅の質量ともに豊かな展開は今後も続くでしょう」と述べ、姿勢は変化し、人々は姿を変え、「家に戻り、何かをしよう」という強い決意を抱いた、ことを強調した。そして、まさに今、この”サミット”で自分たちがしたことに焦点を絞り、「問題の根源全体」に取り組む必要がある、としたうえで、今回の会議の3日間の主題ー責務、説明責任、透明性-は問題と解決の両方を反映している、とも語った。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

Concluding Press Briefing – 24 February 2019
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2019年2月25日