・教皇、31日からアフリカ訪問ー「言葉と証しで、和平実現の助けとなるように」

(2023.1.28 バチカン放送)

 教皇フランシスコが31日から2月5日にかけてコンゴ民主共和国と南スーダンへを訪問される。訪問を前にバチカン国務長官のパロリン枢機卿が記者団と会見、アフリカ2か国訪問への教皇の思いや意義について語った。

 その中で、枢機卿は、2か国への訪問は昨年7月に予定されながらも、膝の痛みのために延期せざるを得なかったことから、教皇はその実現を強く希望されていたこと、いずれの国も長く続く国内紛争で国民も疲弊しており、司牧者として人々に出会い、平和と和解の巡礼者としての役割を担おうとされていること、などを指摘。「豊かな資源に恵まれながらも、紛争と暴力が続く両国を訪問し、現地の教会共同体に寄り添い、言葉と証しをもって、暴力の停止と、平和と和解プロセスの推進を助けることを、教皇は願われています」と説明した。

 コンゴ民主共和国訪問では、同国東部における暴力の犠牲者との出会いが予定されているが、枢機卿は、「長期間にわたる暴力、対立、紛争がもたらした、死者や難民、人々の深い傷。このような状況の犠牲となった人たちとお会いになることで、苦しみをなぐさめ、復讐やこれ以上の分裂に走らぬよう、平和の目標を示そうとされているのです」と語った。

 また、南スーダンについては、同国の指導者たちと2019年にお会いになり、平和を強くアピールされているが、「キリスト教諸教会に寄せる人々の信頼の高さが複雑な国際対話の中で教会に重要な役割を与えている。今回の訪問が現在の困難な情勢においても、平和プロセスを目標に向けて前進させるための具体的な選択への刺激となり得る」と今回の訪問への期待を示した。

 南スーダンへは、教皇はイングランド国教会のカンタベリー大主教、スコットランド国教会の総会議長と共に訪問するが、枢機卿は、「エキュメニカルな証し」が与える重要性を強調。「南スーダンのキリスト教諸教会の共同体が福音の共通の証し人、平和の推進者となるために、教皇はじめ3人の指導者が共に訪れることに大きな意味がある」と、その意義を強調した。

(編集「カトリック・あい」)

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2023年1月29日