・教皇、12日から4日間、ハンガリーとスロバキアに霊的巡礼へ

(2021.9.9 バチカン放送)

 12日からの教皇フランシスコのハンガリー、スロバキア訪問を前に、バチカンのマッテオ・ブルーニ広報局長が9日、報道関係者に概要を説明した。

 それによると、教皇は、第34回目の海外司牧訪問(イタリアは除く)として12日から15日にかけて、両国を訪問。ハンガリーの首都ブダペスト訪問は「聖体に光栄を帰するための巡礼で、特に霊的な性格」を持ち、スロバキア訪問は「かつての全体主義に傷ついた人々を抱擁すると共に、未来に眼差しを向けた旅」と説明した。

 ブルーニ局長は、教皇は今回、欧州の奥深くへと巡礼することで「欧州全体に共通する関心のあるテーマに触れることになるでしょう」とし、その霊的な旅は、ブダペストでの聖体の礼拝から始まり、スロバキアの保護者である「悲しみの聖母」の前での祈りによって締めくくられる、と述べた。

 教皇は日曜日の12日にブダペストを訪れ、5日から開かれている第52回国際聖体大会の閉会ミサを司式されるが、「スタティオ・オルビス」と呼ばれるこのミサは、「全世界のキリスト者の精神的な集い」として捧げられる。

 スロバキア訪問については、聖ヨハネ・パウロ2世教皇は1990年、1995年、2003年と3回同国を訪れており、教皇フランシスコの訪問はこれらに続くものとなる、とし、「聖ヨハネ・パウロ2世は訪問で、ナチズムの恐怖と共産独裁政権の過ちと苦しみから立ち上がり始めた社会の構築に参加するよう、キリスト者に呼びかけたが、教皇フランシスコは、社会は変わったが、今も迫害の傷を抱える人々と出会い、若者たちと共に未来の福音宣教を見つめることになる」と説明。

 また、ハンガリーとスロバキアの両国訪問の重要な行事として、教皇は、諸キリスト教会とのエキュメニカルな集いを持ち、さらにナチスによる迫害の犠牲となったユダヤ人の共同体との出会いも予定している。

 教皇は、さる7月に結腸の手術をしたばかりだが、ブルーニ局長は「両国訪問中も特別な健康上の制限はなく、通常の配慮に留まり、従来の訪問と同様、医師1名と看護師数名が同行する予定だ」と説明した。

 スロバキアでの行事の参加者に対しては当初、「ワクチンパスポート」が条件とされていたが、その条件が撤廃されたことについて、局長は「現地当局の決定によるもの。必要な対策を講じたうえでの判断だと思う」と語った。

(編集「カトリック・あい」)

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2021年9月11日