マッテオ・ブルーニ広報局長によると、教皇は、来年3月5日から8日にかけてイラクを訪問。首都バグダッドをはじめ、同国南東部、アブラハムゆかりの地でユーフラテス下流のウル平野、そして、北部のアルビル、ニネヴェ平野のモスル、カラコシュに赴かれる。
訪問の詳細な日程は後日発表されるが、新型コロナの大感染の年明けの状況次第で、変更される可能性もある。
(編集「カトリック・あい」)
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現状のままでは、イラクのキリスト教徒の激減は避けられないーカトリック系団体が報告書
(2020.7.8 Crux SENIOR CORRESPONDENT Elise Ann Allen)
In this April 16, 2017, photo Christian militiamen stand guard during Easter mass in Qaraqosh, outside Mosul, Iraq. (Credit: Maya Alleruzzo/AP.)
ローマ–米国に本拠を置くカトリックの援助団体Aid to the Church in Need(ACN)が7月7日に発表した報告書「ISIS後の生活:イラクのキリスト教への新たな挑戦」によると、イラクのキリスト教徒は、治安、汚職、ISISの復活の可能性に対する恐れが高まるにつれて、極端に原書する可能性が出ている。
報告書が示した予測では、現在の状況が続くと、2024年には、ISISの攻撃が始まる前のキリスト教徒人口のわずか20パーセントの2万3千人に減少、同報告書の各国のキリスト教徒の状況に関する分類で「脆弱」から「絶滅の危機」に”格下げ”になる恐れがある。
現地のキリスト教徒に対する聞き取り調査では、最も心配なこととして「治安の欠如」を挙げ、回答者の約9割が、自分たちの生活している地域の治安が「非常に」、ないしは「著しく」損なわれている、と答えた。
また不安を感じている理由として約7割が、「民兵からの暴力」と「ISISの復活の可能性」と答えている。ISISは2014年に同国のニネベ高原地帯を占拠し、約12万人のキリスト教徒が虐殺を逃れるため、故郷を捨て、さらに難民として国外に脱出することを余儀なくされた。
こうした状況に対して、ACNの幹部は「国際社会は、イラクにおけるキリスト教徒の存在を脅かしている問題に対して、迅速かつ断固たる行動をとらなければなりません。世界の指導者たちが協力して、イラクでキリスト教徒の数が激減するのを防ぐことがこれまで以上に重要です」と訴えた。