・バチカン・シノドス事務局次長に女性が就任ー「女性に対する信任のしるし」

Sr Nathalie BecquartSr Nathalie Becquart  (Catholic News Service)

(2021.2.6 Vatican News staff reporter)

 教皇フランシスコは6日、バチカンのシノドス(全世界代表司教会議)事務局次長にシスター・ナタリー・ベカーとルイス・マリン神父(聖アウグスチヌス修道会)の二名を任命した。このポストに女性が就くのは、バチカン史上初めて。バチカンの高位のポストにまた人、女性が加わることになった。

 シノドスは、第二バチカン公会議に参加した司教たちが公会議の経験をもとに「共働の精神」を生かしたいという強い願いを表明し、当時の教皇パウロ6世がそれにこたえる形で導入したもので、その準備、運営にあたる事務局の局長は現在、マリオ・グレック枢機卿が務めている。2人の事務局次長はそれを補佐する役割を持ち、当面は、来年に予定するシノドス通常総会(テーマは「共働する教会:聖餐、参加、使命」)の準備に当たる。

 シスター・ベッカーはシノドス事務局次長に任命されたことについて、Vatican Newsの取材に、「『普遍教会に奉仕しなさい』と呼ばれたのだと思います… 発見が沢山ある新たな冒険の入り口に立った気持ちです」と喜びを語った。そして、次長としての役割は、来年のシノドス通常総会の準備、開催、そして総会の成果を実行に移すための局長の仕事を補佐すること、と述べた。

 また、シノドス事務局次長のポストに就く初めての女性となったことについては、「一つのしるし、であり、『教会における女性にたいする信任』を意味するものだと思っています」と語った。また、前回のシノドス総会では、女性に指導的な地位を与えるべきだ、との意見が多く出されたが、「教皇フランシスコは、そのような意見を聴いておられ、『世界の共通善に男女が共に奉仕する』ことをもって教会のために一歩前に進むことで、それにお応えになっている、と感じています」と今回の人事もその一環と見ていることを強調した。

(シスター・ナタリー・ベッカーの略歴)

 1969年にフランスのフォンテーヌブローで生まれ、1992年にパリ経営大学院(HEC)で経営学修士号を取得、ソルボンヌ大学で哲学を学んだ後、カトリック高校で数学とフランス語の教鞭をとった後、ベイルートのイエズス会聖ヨセフ大学で哲学、神学を受講。パリの市場調査・広告代理店でコンサルタントとして短期間働いた後、1995年にザビエル姉妹会に入会し2005年に最終誓願。以来、フランスのIgnatian Youth Network の霊的指導担当、都市の貧困地域での青少年支援活動の全国の取りまとめ役などとして働いた。イグナチオ教会の協会の会長、東パリ大学の学生司牧部長、フランス司教協議会の若者の福音化・召命担当部長を務めた。現在は、仏ナンテール教区の司教会議のメンバー、 European Vocations Service (CCEE)の副会長。また、バチカンとの関係では2016年から2018年の間、若者をテーマとしたシノドスの準備チームで働き、 2018年10月の開催時には、シノドスの聴講者として参加した。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

 

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2021年2月7日