・国際カリタス総会閉幕、新執行部が会見ー菊地・総裁以下、副総裁にロバートソン女史、事務総長にダットン氏が就任

(2023.5.17 カトリック・あい)

   国際カリタスは16日までローマで開いた総会で新執行部を選出、今後4年間の戦略計画などをまとめ閉幕した。

 新執行部は、総裁に菊地功・東京大司教が就任。カースティ・ロバートソン氏(カリタス・オーストラリアCEO)が女性初の副総裁、アリステア・ダットン氏(スコットランド国際援助基金最高責任者)が事務総長に、パトリック・デバックワ氏(カリタス・ベルギー)が財務責任者にそれぞれ選ばれた。

(写真は右からダットン事務総長、菊地総裁、ロバートソン副総裁、デバックワ財務責任者)From left to right: Patrick Debucquois, treasurer; Kirsty Robertson, vice president; Archbishop Tarcisius Isao Kikuchi of Tokyo; and Alistair Dutton, secretary-general.

 16日の総会明幕後に4人で会見し、菊地新総裁は、アフリカでのカリタス・ボランティアとしての難民救済活動や、カリタスジャパンの事務局長、代表を務めた経験から、人々はカリタスの支援に感謝してくれるが、彼らが常に求めるのは、「戦争や災害がニュースの見出しから消えた後も、自分たちを忘れないように」ということだ、と指摘。

 「私たちは人々に(「自分たちは忘れられていないのだ」という確信をもとにした)希望、人生への希望をもたらせるようにしたい… カリタスとして、私たちは困難に直面している人々と共に歩み、寄り添い、未来への希望を生み出したい」と抱負を述べた。

 国際人道支援で25年以上の経験を持つダットン新事務総長は、「カリタスは私の家であり、家族であり、天職であり、新たなポストで奉仕できることを本当にうれしく光栄に思う。(これまで国際カリタスには深刻な問題があったが)我々は将来に目を向け、将来に向けて構築しなければならない」と抱負を語った。

 国際カリタスにはこれまで女性が事務総長になったことはあったが、今回、女性初の副総裁となったロバートソン氏は、自己の役割を「世界中のカリタスの行事で指導部を代表し、世界の教会のリーダーたちと連携すること」と述べ、「世界のどの国でも、女性はまだ男性との経済的平等を達成できていないが、一方で、非常に多くの女性が自国のカリタスを率い、世界中のカトリック慈善団体でボランティア活動を行っている。国際カリタスでも、あらゆるレベルで女性が活動するのは当然であり、正当なことです」と強調した。

 なお、総会で決まった国際カリタスの戦略計画について、ダットン事務総長は、「(戦争や慈善災害などによる避難民発生など)緊急事態だけでく、長期的な要請に対応できるように仕組みに焦点を当てている。世界は常に変化しており、危機がどこで起きても、カリタスが助けを求める人々に救済と支援を提供する体制と能力を整備する必要がある」と説明。計画に盛り込まれた優先事項は五つあり、①カリタスと教会の緊密な連携②緊急事態への適切、迅速な対応③総合的な人間の育成支援④弱者の権利擁護のための様々な取り組み⑤能力育成と、カリタスが関与が必要と判断した時に対応できる能力の保持-を挙げた。

(以上は、Vatican News、CNS などの報道をもとにまとめた。)

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2023年5月17日