・世界のカトリック人口・教皇フランシスコ在位5年で6%増、13億2900万人

(2020.3.25 カトリック・あい)

 バチカン中央統計局が25日発表した2020年版世界カトリック統計年報によると、2018年までの教皇フランシスコの在位5年間に、カトリック信徒の人口は6㌫、7500万人増え2018年現在で13億2900万人となった。

*地域別信徒数では欧米の比率が落ち、アジア、アフリカが上昇

  ただし、世界の総人口もこの期間にほぼ同率で増えたため、総人口に占める割合は18パーセント弱で、横ばいが続いている。

 地域別の人口に占める割合は、南北アメリカが全人口の63.7㌫を占め、欧州が39.7㌫、オセアニア26.3㌫、アフリカ19.4㌫の順。アジアが最も小さく、3.3㌫に留まっている。

 ただし、5年間のカトリック信徒の人口の動きをみると、欧州の国々と北米の相対的なウエイトが低下し、その他の地域が上昇している。欧州の割合は21.5㌫、南北アメリカはこの期間に1㌫落ちて48㌫となる一方で、アジアは若干上昇して11.1㌫になった。

*司教の数は増えたが、司祭数はとくに欧州で減少

 また、5年間で世界の司教の数は3.9㌫増えて5377人。地域別の増加率はオセアニアが4.6㌫、南北アメリカとアジアが4.5㌫、欧州が4.1㌫。アフリカは1.4㌫の微増となった。地域的な分布はこの二年間実質的に変わっていない。

 だが、世界の司祭の数は全体として思わしくない。5年間の最初の2年間は1400人増えたが、後の3年間に0.3㌫減少している。ただし、地域別にみるとアフリカではこの期間に14.3㌫、アジアで11㌫それぞれ増加しているが、南北アメリカは横ばい。欧州とオセアニアは2018年だけでも、それぞれ7㌫、1㌫を上回る減少となった。結果として、地域別の割合はアジアが14.8㌫から16.5㌫に増え、アフリカも10.1㌫から11.5㌫に増える一方、欧州は44.3㌫から41.3㌫に大きく縮小している。

 

*注目される「終身助祭」の増加

 そうした傾向の中で、顕著なのは終身助祭の増加で、世界全体でこの期間に4万3195人から4万7504人と約1割増えている。

 終身助祭は、司祭への叙階がないが、既婚者もなることのできる資格。第二バチカン公会議以降、助祭を「司祭への通過点」、単なる「司祭の補助」と見なすのではなく、助祭としての固有の職務を再確認する方向に進んでおり、これに伴い終身助祭の制度が世界各国の教区で整備されてきているが、日本では司祭団の関心が低く、沖縄などを除いて、まだ制度化されていない)

 

*修道士、修道女は減少が続いている

 司祭でない修道士の減少はアフリカ、アジアを除いて続いており、この期間に世界全体として5万5000人強から5万1000人弱と8㌫減った。修道女も69万9400人から64万2000人へ7.5㌫減り、特に欧州、オセアニア、南北アメリカでは、それぞれ15㌫、14.8㌫、12㌫の二けたの大幅減少を記録したが、アフリカとアジアではそれぞれ9㌫強、2.6㌫の増加となっている。

 

*神学生も減少、アフリカに期待

 神学生の減少も進んでおり、この期間に11万8251人から2㌫減って11万5880人に。地域別で欧州が15.6㌫、南北アメリカが9.4㌫の大幅落ち込み。例外的なのはアフリカで15.6㌫増え、宣教司牧の需要を満たす期待を寄せられている。

 

 

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2020年3月25日