・バチカン幹部更迭続くー教理省次官が辞任（Crux）

ローマ発–バチカン広報が10日、教皇庁教理省のジャコモ・モランディ次官（大司教）が辞任し、イタリアのレッジョエミリア-グアスタッラ教区の教区長に就く、と発表した。モランディ大司教は56歳で、2017年から同省次官を務めていた。後任はまだ任命されていないが、同省のチャールズ・シクルナ次官補（大司教）が昇格する可能性がある。

　今回の人事は、教皇フランシスコがここ数か月、進めているバチカン幹部刷新の一環とみられる。

　教皇は、昨年春以来、典礼秘跡省、人間開発のための部署を含むいくつかのバチカンの主要官庁を訪問され、その直後に、トップの交代を発令されてきた。典礼秘跡省では昨年3月にロベール・サラ長官（枢機卿）が、聖職者省では昨年6月にベニアミノ・ステラ長官（枢機卿）が退任した。

　人間開発のための部署の場合、教皇訪問は夏に行われ、少し間が置かれたが、12月にピーター・タークソン長官（枢機卿）の退任が発表され、教皇の長期にわたる”盟友”とみられていた枢機卿の定年まで2年を残しての退任は、多くの関係者に驚きを持って受け止められた。

　タークソン枢機卿や他の部署のトップの退任の理由は、「5年間の役職任期を終えたため」とされているが、特にタークソン枢機卿の場合、彼が長官を務めてきた人間開発のための部署は2016年に「正義と平和協議会」「移住・移動者司牧評議会」など4つの機関を統合する形で発足したものの、いまだに各機関出身者の意思疎通が不十分で部署としてまとまれていないという問題が背景にある、と多くの関係者はみている。

　モランディ大司教の教理省次官退任の理由について、公式の説明はされていないが、一部の関係者の間には、旧ローマ・ラテン典礼の規制を強化する教皇の方針を巡る不一致が関連している可能性を指摘する声も出ている。