(2020.7.27 Vatican News Devin Watkins)
新型コロナウイルスの世界的大感染で長い間、外出を自粛し、孤独を深めている高齢者の方々に対する教皇フランシスコの思いを受けて、 バチカンのが27日、「お年寄りはあなたのおじいさん、おばあさん」キャンペーンを始めた。
教皇は26日の正午の祈りの集いの中で、この日が聖ヨアキムと聖アンナの記念日であり、イエスの「祖父母」にあたる二人を記念するこの機会に、世界の若者に、高齢者たちー特に何か月も家族にも会えず、家や施設で一人でいる方々ーに優しさを示すように求めて、次のように話された。
「お年寄りたちは皆さんのルーツです。根とつながっていない木は育つことができません。花も咲かず、実もなりません。ですから、皆さんにとって、”自分たちの根”と一致し、つながっていることが大切です。『木が咲かせる花は、地中にあるものから来る』と私の祖国の詩人は言います。こうしたことから、私たちのすべての祖父母たちに大きな拍手を送るように、皆さんにお願いします」。
「信徒・家庭・いのち省」は、教皇のこの言葉に応え、27日に声明を発表。世界の若者たちに「孤独を深める年配の方々に、優しさと親しみを態度で示そう」と呼び掛けた。
「新型ウイルスの大感染は、高齢者に特に大きな打撃を与え、既に弱まっていた世代間の絆を断ち切ろうとしています… しかし、”社会的距離”を保つことなど感染防止のルールを守ることは、独りぼっちになり、社会から捨てられる運命を、皆が受け入れることを意味しません」。
そして、具体的な活動として、電話やインターネットによるお年寄りとの会話、老人ホームなど施設での音楽会の開催などを提案。「若い人たちのこのような活動は、感染防止のために自宅や高齢者施設にこもることを余儀なくされた方々が感じる孤独を和らげる助けとなります」としている。
小教区の若者たちの活動としても、信徒や近くに住む高齢者とつながりを持つように勧め、直接の接触でなくても、電話やインターネットによるビデオ会話、あるいは画像の送信など、さまざまな手段で行うことができることも強調。
また、「信徒・家庭・いのち省」では、このキャンペーンへの参加の形の一つとして、#sendyourhugを開設し、書き込みを歓迎。「信徒・家庭・命の部署」のアカウント @laityfamilylifeも公開、ツイートでの参加もできるようにしている。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)