・「自発教令を、私はこのように自分の教区の信徒に説明する」とシクルナ大司教(VaticanNews)

(2019.5.9 VaticanNews Linda Bordoni)

 虐待と暴力について報告する新たな手続きを確立し、司教と修道会総長たちが自身の行動に説明責任を負うことを明確にする、教皇フランシスコの自発教令「Vos estis lux mundi(あなた方は世の光)」が9日、バチカン広報局から発表された。

*誤った行いは申告が必要

 自発教令のとりまとめに深く関わったマルタのチャールズ・ジュード・シクルナ首都大司教(バチカン教理省副長官)は9日の発表記者会見で、自分の教区の信徒たちにどのように説明しようとしているかを分かりやすく説明。「教会を本当に愛しているなら、誤った行いを申告する必要があります。誤った行いを報告すれば、保護を受けることになります。犠牲者たちは、教会には自分たちの声を聞き、支え、必要な助けをする義務があることを知る必要があります」と、まず語った。

 そして、「報告が首都大司教である私に上がった時、私が法規を超越することはありません。もし、私が誤った行いをしたら、バチカンの駐在大使か、私の兄弟の司教の所に行き、そして私に申告する義務があります」と言明。

 そして「申告しても聞き届けられないなら、聖座に報告してください。私が取り調べを受けるための手続きがあります。その手続きを教えられる必要があります。あなた方は、手続きについて教えられるべきです」「私の教区の一般信徒は、取り調べで助けを求めることができます。あなた方は、私の仕事があなた方に奉仕するだ、ということを知らねばならない。私は法規を超越しません」とも述べた。

*透明性の確保と説明責任

 多くの人から求められている透明性の確保に関して、大司教は「透明性は、犯罪を公表する力を人々に付けることから生まれますが、犯罪を調べることに人々に関与してもらうことも必要です」とし、「なぜなら、『透明性』は素敵な言葉になり得ますが、(注:単なる言葉でなく)実際に、しっかりとした規範になる必要があるからです」と強調した。

*自発教令は、チームワークの成果

 また、「今回の自発教令の準備には、実際に誰が関わったのか」との記者団の質問には、準備作業のために「教皇庁の多くの部署から選ばれた、素晴らしいチーム」が作られ、自発教令は「そのチームワークによる、大変な努力の成果です」「教理省だけでまとめたものではありません。チームとして作業をしたのです」と答えた。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

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2019年5月11日