・「教皇の心は、ウクライナの人々の苦しみに張り裂けそうだ」現地で活動の支援援助省長官

Volunteers helping Cardinal Krajewski distribute aid in UkraineVolunteers helping Cardinal Krajewski distribute aid in Ukraine 

(2022.12.23 Vatican News  Salvatore Cernuzio)

 教皇フランシスコの物心両面の支援をウクライナの人々に届けるバチカン支援援助省のコンラート・クライェフスキ長官(枢機卿)の現地での活動は現在も続けられている。

 長官は11月17日にウクライナ西部のリヴィウに入り、現地の人々に発電機と発熱器付きのジャンパーを届けた。

 長官はVatican Newsのインタビューに答えて、「私はその時、教皇に音声メッセージを送り、自分が今どこにして、何をしているかを説明しました。すると、教皇は、とても長い励ましの言葉をくださり、『ウクライナの人たちのことを思うと胸が張り裂けそうです。私はそばにいます』と話されました」と語った。

 さらに「私は疲れています。戦争で荒廃したこの国で困難で過酷な日々を過ごし、国内各地を回り、25 キロにも及ぶ国境での渋滞に巻き込まれたことによる疲労。そして、(ロシアによる絶え間ない発電所など公共インフラの破壊)で電力供給を断たれ、寒さと暗闇の中に置かれている人たちと、痛み、苦しみを共にすることによる疲労です」、「そして、教皇は私に『これこそ、イエスがなさろうとすること。病める人たち、苦しむ人たちの中にいつもみをおくことだ』ということを思い起こさせてくださいました」と述べた。「思いを共にすることー私たちもイエスに倣わねばなりません。この言葉が勇気を与えるのです」。

 長官は、リヴィウで活動した後、首都キーウに向かった。「大変なことでした。リヴィウの市街地から出るだけで1時間半もかかりました」。朝の5時に、援助物資を積んだバンで出発し、ロシアの攻撃が続く戦闘地域を通って行った。

 Vatican News のインタビューに応じた長官は、「私たちは、光も電力も水も欠乏している人たちに、多くの発電機や支援物資を届けることができました。それは“大海の一滴”にすぎないかも知れませんが、その一滴は川に入り、川から海へと流れていきます。 私たちは福音の論理に従って判断していかねばなりません。私たちは小さな仕事を行う。大きな仕事は主のものです」と、これまでの活動を振り返った。

 長官は、ロシアが2月に軍事侵攻を始めた最初の週から、繰り返し、数回にわたってウクライナ入りしている。「この旅は容易なものではありません。でも、現地の人たちはとても苦しんでいます。そうした中で、多くの人が彼らを助けるために参加してくれているのが、大きな慰めとなります。援助の現場には、毎日、ボランティアが集まってきてくれます。素晴らしい。援助物資を運ぶ私たちが、貯蔵倉庫に着くと、皆で梱包を解いて、配給の用意をしてくれます。ある消防士のボランティアは、一日に3回でも、4回でも、労をいとわずに車で配給に回ってくれました」。「実に、罪のあるところに、多くの恵みもあるのです」と強調した。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2022年12月24日